04
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そして夢叶はウタに助けられた。





「や、おはよう」



目を覚ませば自分を助けてくれた金髪。

「ぁ、……」

交わった真っ赤な瞳に、見惚れた。

「きみ、大丈夫?」

目の前で手を振られ、我に返る。

「あ、はい。
助けてくれてありがとうございます」

「別に助けたわけじゃないよ」

それでも結果的に夢叶は助かったのでお礼を言う。





「それ、…転んだの?」





膝を指さされる。

男の喰種から逃げていて転んだのを思い出した。
忘れていた痛みがジクジクと訴えてくる。

「夢中で逃げてたから…」

「ふーん」

ウタは夢叶に近付き、傷口に顔を寄せた。


先程の男に感じた危機感を感じない。

「ぁ、えっと…」

戸惑いこそすれ、逃げ出そうとはしなかった。

「う〜ん、やっぱり…」

ウタは自分の中で何かに納得したようだ。





「きみ、とっても変わってるね」




((舐めていい?))
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「ダメです」
「え〜、でもとってもいい匂いするよ?」
「血のなにがいい匂いなんですか」
「分からないの?こんなに美味しそうなのに」
「…私は喰種じゃないので」
「勿体ない」


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