![]() == == == == == そして夢叶はウタに助けられた。 「や、おはよう」 目を覚ませば自分を助けてくれた金髪。 「ぁ、……」 交わった真っ赤な瞳に、見惚れた。 「きみ、大丈夫?」 目の前で手を振られ、我に返る。 「あ、はい。 助けてくれてありがとうございます」 「別に助けたわけじゃないよ」 それでも結果的に夢叶は助かったのでお礼を言う。 「それ、…転んだの?」 膝を指さされる。 男の喰種から逃げていて転んだのを思い出した。 忘れていた痛みがジクジクと訴えてくる。 「夢中で逃げてたから…」 「ふーん」 ウタは夢叶に近付き、傷口に顔を寄せた。 先程の男に感じた危機感を感じない。 「ぁ、えっと…」 戸惑いこそすれ、逃げ出そうとはしなかった。 「う〜ん、やっぱり…」 ウタは自分の中で何かに納得したようだ。 「きみ、とっても変わってるね」 ((舐めていい?)) == == == == == == == == == == 「ダメです」 「え〜、でもとってもいい匂いするよ?」 「血のなにがいい匂いなんですか」 「分からないの?こんなに美味しそうなのに」 「…私は喰種じゃないので」 「勿体ない」 ← | → |