04
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「トーカさんはどうなの?可愛いと思うよ」

「いや……彼女はちょっと怖いから…」

「「怖い…?」」

夢叶とウタは顔を見合わせた。




「ぼくは"努力家だなぁ"って思うけど」




自分とは違う印象にウタを見上げる。

「……ぼくらが人間社会に溶け込むのなんて、言っちゃえば"終わりのない綱渡り"みたいなもんでさ…毎分毎秒"進むか堕ちるか"のギリギリで…足がもつれたら眼下の奈落へ真っ逆さま……渡ってきた距離なんか関係なしにその瞬間すべてがパアになる……」

夢叶は先の見えない暗闇に架かる1本の綱を思い浮かべた。

人間の自分には到底分からない不安が付きまとうだろう。

「この綱も自分の選択次第で具合が変わってさ、人間と深く関わるほどに渡る綱は細くなってく……何もしなければそれが一番いいワケだからね」

そういう意味では董香は"すっごい細い綱"を渡っている。

あんていくの仕事だけではなく、高校にも通っている。


「…自分の身を危険に晒してまで……ヒトと交わろうとする理由って何でしょう…」

「何だろうな…たしかに人里離れて生きてれば安全だもんね…」

それでも、董香や芳村はヒトと交わることを選んだ。






「…でもね、ぼくもたまーに人間のお客さんが来ると…こう…ドキドキしてさ……上手く言えないけど……たのしいよ。

それに、…此処にいなかったら夢叶にも会えなかっただろうし……なにも悪いことばかりじゃないよ…」






「ーー!」

一瞬驚いた夢叶。
だがすぐに、ふにゃりと嬉しそうに笑った。


「…よし、採寸終わり。
マスクが出来たら"あんていく"に送るね」


((遠ざければ得られなかったモノ))
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「夢叶、描けた…?」
「うん、バッチリ!」
「??」
「あぁ…夢叶のデザインも取り入れてるんだ…」
「1人でやっててスランプになっちゃったら困るからね」


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