02 == == == == == 「ーーウタさん。 "喰種"のマスク作ってくれる人」 「(ピアスにタトゥー……すごい見た目だな…)」 ウタの攻撃的に見える外見に怖がっている金木。 「カネキです……よ…よろしくお願いします…」 するとヒョイと覗き込まれた。 そんな些細なことにすらビクついてしまう。 「きみが芳村さんが言ってたコか……」 くんくんと匂いを嗅ぐ。 「……匂い、変わってるね…」 「ウタ! お客さん怖がらせてどーするの!!」 店の奥から出てきた夢叶がウタに説教する。 珈琲の入ったマグカップを4つ持っている。 「あぁ……ゴメンゴメン」 「もー…唯でさえそういう見た目してるんだから…。 カネキくん…だっけ?ゴメンね」 はい、とマグカップを差し出す。 「(…?この人、匂いが……)」 「私は夢叶、気軽に呼んで」 「ぁ、はい…どうも」 「…彼のマスクが要るんでしょトーカさん」 ウタは夢叶の持つトレーからマグカップを1つ取った。 「ウチもちょっと警戒しなくちゃいけなくなったんで」 20区で捜査官が彷徨いていたらしい。 人間である夢叶にはあまり関係のない話だ。 しかし、喰種と一緒に行動している訳なので一応聞いておく。 董香にもマグカップを渡す。 「20区は"大人しい"から放置気味だったのに…」 「あの…20区ってその……平和な方なんですか?」 金木にはそうは思えなかった。 「…一回他所で生活してみたらわかるよ」 「1区から4区なんて基本住めたもんじゃないよ…ね、ウタ」 「うん……あと13区も血の気が多くて怖いなぁ」 2人の口から出るのは知らない地区ばかり。 「…ウチは同種が多いから喰場争いなんてしょっちゅうだし…」 "共喰い"なんかも見れたりする。 ウタはそんな夜はラッキーで退屈しないらしい。 「いつだっけ…?夢叶も襲われてたよね…」 そんな話をした上で泊めてあげようかなんて持ちかける。 「いっ…いや、いいい…いいです…」 金木は完全にビビってしまっている。 「……20区は良いよ…のどかで…。 "あんていく"があるってのが大きいんだろうね」 ((外の世界の実情)) == == == == == == == == == == 「(ぁ、美味しい…)」 「どう?お口に合うかな?」 「ぁ、はい、とっても美味しいです」 「ホント!?よし!」 「??」 「(蓮示にも美味しいって言わせてやるんだから…!)」 ← | → |