04
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「…そうですか」

カラン…

「あれ、」




「んー、んんんれふ(あー、夢叶です)」




什造が手を振る。

「什造くん、ここ知ってたの?」
「カネキくん探しにきたです」

食べます?とミックスサンドを出される。

「いいよ、私自分で頼むから」

董香にサラダサンドとカフェオレを頼む。


「夢叶はよくここ来るです?」
「たまにね。ここの珈琲美味しいから」

店長に笑い掛けたら優しい笑顔が返って来た。

「君くらいの子なら自炊してそうだけどね」

ギクッと反応する。





「篠原さん、夢叶はお料理苦手です。
この前の玉子焼きはちょっと黒かっ…」

「あーあーあーー!!」





慌てて什造の口を塞ぐ。

「だからあれはちょっと目を離してたら…」

思い出されるのは動物園に行った時のお弁当。
玉子焼きがちょっと焦げたのはウタのせいだ。

「ん〜……他のは美味しかったです」

その筈だ。

得意なものと冷凍食品だけ詰めたのだから。

篠原がその様子を微笑ましそうに見ている。


「あ、今度の土曜日また動物園行きたいです」
「こら什造、彼女にだって予定ってもんがね…」

生憎、夢叶もその日は予定があった。

「ごめんね、その日はちょっと…」

この間のお詫びにウタが一緒に出掛けてくれるのだ。

「彼氏です?」
「えっ!あー……うん…」

急に図星を指されてびっくりした。

「ザンネンです……」

しゅん……と肩を落とした什造を慰める篠原。



「まだまだ若いんだから、そんなに落ち込むんじゃないの」




((次に期待しなさい))
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「――なに作ってるの?」
「うわあ!!きゅ、急に入ってこないでよっ」
「ごめん。やっぱり怒ってるの?それぼくに喰べさせようと…」
「心配しなくても報復用じゃないから」
「そう……。じゃあ何用?」
「ただのお昼ご飯!動物園行くって言ったでしょ」
「……ねー、やっぱりぼくんち居てよ」
「あっ、ちょ……放してよっ、焦げちゃう!」
「ねー」


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