乾杯
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げっ……ウタさん…」




口元を引き攣らせて相手の名前を呼んだ。

「久しぶり」

ウタがそう言った瞬間、叶華は金木から離れた。
先程までの様子からは想像できない速さだった。

「お…久しぶりです…」

イトリの方を見ながら挨拶を返す。

叶華が退いたおかげで体勢を直せるようになった金木。

背中を支えてくれたウタに礼を言っている。


「あっはは、叶華はほんとウーさん苦手ね〜」

両本人のいる前で堂々と言う。

「イトリさぁん…」

謀ったな…とジトリとした目で見つめる。

「ボクは叶華さん好きなんだけどなぁ…」
「えっ……」

ウタの視線が声を漏らした金木に向く。





「――……でもカネキくんに先越されちゃってるみたい…」





そう言うと残りの血酒を飲み、イトリにおかわりを頼む。

「えっと……あ…」

金木は困ったように頬を掻いた。

「??」
「ほら、叶華はさっさと着替えてきなさい」

状況を読めていない叶華のお尻を叩いて奥に向かわせる。



「カネキチ、叶華はうちの看板娘だから取ってかないでよ〜」



叶華が着替えている間にどうしてここで働いているのか聞いた。

イトリによると、単にバイトのようなものらしい。

彼女も喰種、たまに訪れる人間の相手は人間にしてほしいそうだ。特につまみとして出すものは叶華に任せているそうだ。


((再会の喜びを肴に))
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「じゃあ皆さんが喰種ってことは…」
「知ってるわよ?当り前じゃない」
「……」
「ふふ、危ないことしてるって思ったでしょ」
「い、いえ……」
「大丈夫よ、ここに来る喰種はそんな飢えてないもの。
それに、うちの店員に手出させるほど優しくないわ」


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