浮気容疑
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「ただいまー」

HySy ArtMask Studio
扉を開ければ店主はいつもの作業台にいた。

「あれ、どうしたのウタ。
マスクも作らずにボーっとして」

「……表の札、closeにしといて」

言われた通り、閉めかけた扉から顔を出し、札を裏返す。



「……なんでついて来るの?」


荷物を置きに奥へ入ったのだが、ウタが後ろをついて来る。

「ついて来られちゃ困ることでもあるの?」
「いや、無いけどさ…」

何だかウタの様子が変だ。


「…私何かしたっけ…?」


思い切って聞いてみた。

「…何かあるの?」
「いや、無いけど…」

さっきと同じ答えを言ってしまう。






「……蓮示くんと腕組んで歩いてたんだってね。
それなのに何もない…?」






「え、何で知ってるの…?」

ウタの店は4区。
あんていくは20区。

不思議に思うのは仕方がない。


「…僕のこと嫌いになった…?」


少し怒っているような悲し気な…。

ウタに押し倒されてベッドに沈む。

「…ウタ、」
「なに、言い訳?」

どうやら叶華が浮気したと思っているようだ。

「別に疑ったままでいいから、その話誰から聞いたの?」

ウタが直接見たとは思えない。
此処で怒るくらいならその時に来ている。

となると、第三者から情報を提供されたとみえる。



「…イトリさん」



なるほど、と思ってしまった。

「……ちょっと待っててくれる?」

スマホを手に取るとイトリに連絡する。
今にも首を締めそうなウタに警戒しながら。

数コールで電話に出たイトリ。

「もしもし、叶華ー?」

大きく息を吸う。





「イートーリーー!!!!

ニセの情報流してんじゃないわよ!
おかげでこっちは殺されそうなんだけど!?」





((旧友の悪だくみ))
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「んん?あれは蓮ちゃんと…」
「…イイ事思いついたぁ♪」
「もしもしウーさん?」
「今さ、…」


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