リスタート
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今日のオークションは小規模ものも。
Sレート以上の喰種も大富豪の喰種もいない。



そこを喰種捜査官が強襲した。







ウタは自らを囲っている白鳩を素手で片付けていく。

マスク越しに小ホールを見渡せば、喰種の死体が多い。
高レートが少ないことと強襲による動揺が大きいのだろう。

白鳩の死体もちらほら見える。




「(喰べてないのによく戦えるなぁ…)」




少し離れた所で数人の白鳩の相手をしている叶華。

他の喰種と違い、怪我もしていな。
赫子を使わず、殺した白鳩のクインケで戦っている。

「(流石に赫子使うと消耗が激しいってこと、か)」

叶華が一瞬ウタに視線をやった。

手を振ってみれば無視され、その隙に白鳩が踏み込んで来る。

それを躱し、倒れた背中を踏み付ける。





「喰べちゃえばいいのに…」





白鳩が怯んだのが分かる。

ただでさえ素手で殺されているのだ。
即死ではなく、激痛を伴っているだろう。

その上喰べられるなど堪ったものではない。

ウタは叶華に対して言ったつもりではあるが。


おそらく赫子なしでは少しキツくなってきたのだろう。

だが全員を狩り殺すまでにスタミナ切れを起こす。

それで此処で一番力があると思われるウタに視線をやった。

ただウタには真面目にやる気がない。
それは叶華も何となく察したことだろう。

つまり生き残るには人間を喰べ赫子で戦うしかない。



叶華がクインケを捨てた。

ジャケットを脱ぎ捨てれば、腰の辺りから赫子が伸びた。

「はぁ……ほんとうに…性格がよろしくないわ…。
面倒な奴に目を付けられたものね…」

足に力を込めると、白鳩も警戒して構えた。

「必ず駆除し――」

叶華が駆けた傍に居た白鳩の首が落ちる。





「こんな新鮮な肉は何年振りかしら」





指先の血を舐め取った叶華は近くの死体の肉を喰らう。

その後、白鳩の9割方始末し、引き上げた叶華たち。

「赫子、綺麗だったね」
「貴方のはまともそうじゃないわね」

近付いてきたウタに嫌味で返す。

「家に招くんじゃなかったわ…」

人生最大の過ちね、とため息をこぼす。

「私も思ってたより人を見る目がなかったわ」
「ぼくら人を騙すのは得意だからね」





「貴方に目を付けられるなんてね……。

自分の死に様が想像もつかないわ。
まともな死に方でないのは確かかしら」



((本性現したわね))
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「そろそろあの部屋の骨、捨てる気になった?」
「…貴方、随分あれを気にするのね」
「折角叶華の部屋に入っても別の男がいるとね」
「はぁ……そうね、もう彼に合わせる顔もないし、」
「今度からは新鮮なお肉でも置いててくれるといいな」
「貴方のために置くくらいならメイドたちに喰べさせてあげるわ」
「人間に誑かされて食が細くなった主人のせいで喰べてないだろうからね」
「……私監視されてたのかしら」


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