![]() == == == == == 「退屈させてごめんなさい。 着いたわ」 車から降り、出迎えたメイドにマスクとコートを渡す。 「あら、別に付けたままでもいいのに」 「お呼び頂いた身ですから」 男もマスクを外していた。 「綺麗な顔ね。意外だわ」 「叶華嬢には及びませんよ」 そんな社交辞令を流しながら屋敷に入っていく。 「頭蓋骨ですか…………叶華嬢は生きた人間はお好みではありませんでしたか」 長廊下の壁にかかっている骨を見て言う。 「………絵画の代わりよ」 一番奥の扉を開け、男を招き入れる。 扉を閉じた時、男が後ろから叶華の腕を掴んだ。 「……思った通り、貴方、あまり性格がよろしくないわね」 「おや、私はこのためにお呼ばれしたのかと」 男は笑い、叶華のうなじの辺りを舐める。 「お生憎、そういう事には興味がないの」 すると男は潔く離れた。 「これはとんだご無礼を。 時に私に何をお求めで?」 「……死の匂いを貴方から感じた気がしたのだけど、どうやら私の勘違いね。貴方からするのは危険な匂いだわ」 男は今までとは違う笑みを浮かべた。 そして叶華をベッドに押し倒した。 「では危険な遊びに身を委ねてみますか?」 「………いいわよ。 勘違いで時間を使わせたお詫びに、ね」 男は唇を重ね、叶華のドレスに触れた。 ((ギャラリーの目は暗く落ち窪み)) == == == == == == == == == == 「手慣れてる感がちょっと癪ね」 「これは失礼」 「……貴方、こういうことよくやってるの?」 「さぁ、どうでしょう」 「ピエロって意外と遊び人なのね」 「叶華嬢も、たまにこうして男を連れ込まれているのでは?」 「男に限らず好みの者はよく入れてるわ。骸骨だけど」 ← | → |