道化の薄ら笑い
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ーー数年後ーー



「ほんと、叶華ってば飽き性だわ」



イトリにため息をつかせた人物は酔い潰れて夢の中。

「……そうだね」

壁際で血酒を飲むウタも同意する。

この3人の他にも、ニコやら宗太がいる。
彼ら全員、ピエロマスクという質の悪い集団の一員だ。


「蓮ちゃんに飽きたと思ったら次はピエロ…」




少し前の"ピエロマスク掃討戦"では、珍しく当事者として赫子を振るい楽しんでいたのは記憶に真新しい。

それでも、あれ以降はピエロマスクも活動を抑えている。

それで大分退屈しているのだろう。



「叶華ってば自分がピエロってこと忘れてそうね」

叶華にとって楽しめる環境こそが至上。
それ故、楽しめるなら人間の食べ物も喜んで食べるだろう。

「そろそろ腰を落ち着けてほしいよ」

「……それ、自分とトコにってことでしょ?」

ウタは叶華の頬を撫でて耳のピアスを掠めていった。






「そろそろどっかに消えちゃいそうよね……」






イトリの言葉にウタは小さくため息をついた。

「もうさぁ、逃げらんないように囲っちゃえば?」
「…………それって閉じ込めていいってこと?」


面白い話の匂いを嗅ぎ付けて他の2人も集まってくる。

「なぁに?ついに強引な手でいっちゃうの?」

「それはそれで面白そうっスね。
俺ら結構楽しみにしてるんすよ、いつ手籠めにするか」

本人がすぐそこにいても寝ているからと気にしない。



「ほら、誰も文句無いって」


仲間としては気に入っている。
それでも、楽しい方が好き。

殺し合いでもないのだ、楽しい方がいいに決まっている。


「………んー…まぁいつかね…」



((気付いた時にはもう遅い))
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「ウーさぁぁん、酒ぇー!」
「叶華さん起きたんだ。はい、血酒」
「ありが……あ、こぼれたー」
「はいはい、拭くから動かないで」

「………あたしゃウーさんが尻に敷かれないか心配だわ」
「敷かれるってより、世話したがってるって感じねぇ」
「そうスか?世話ってより管理じゃないスかね」
「ま、本人が好きでやってんだからどうしようもないわね」


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