求める異質
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「や、ウーさん。
有馬クンに喧嘩売ったんだってねーぇ?」



20区に面白い喰種がいると聞き、足を運んだのだ。

しかしその喰種には会えず、不在で4区の喧嘩も見逃した。

「蓮示くんを手伝ってあげただけ」

「レンジくん?」

「叶華さんまだ会ってなかったんだ。
カラス君のことだよ」

叶華の知らない間に"仲良く"なっていたらしい。


「へぇ〜、それでその蓮示くんって今どこいるの?」

見た限りではいつもの面子しか見受けられない。

「ん〜……分かんない。
誰かに助けられてどっかに連れてかれちゃったから」

イトリから聞いた話では"復讐"は失敗らしい。

「えぇ〜……また無駄足じゃん……」





「ぼくは叶華さんが来てくれて嬉しいけど」





背を向けた後ろから手を引かれた。

振り返って見たウタの表情はいつも通り。

「………今日はその蓮示くんに会いに来ただけ。
悪いけどウーさんに会いに来たわけじゃないの」

ウタの手をすり抜ける。


「………最近冷たいね、叶華さん」

しかし、叶華はそれについては何も言わない。




「また何かありそうだったら教えてよ。
わたしもウーさんの味方だからさ」



((ぼくを見て))
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「叶華さん、今は蓮示くんに夢中みたい……」
「へぇ〜、蓮ちゃんにねぇ〜」
「蓮示くん無愛想だし、叶華さんのタイプじゃないと思うんだけど…」
「ここはスキンシップ激しいのが多いしねぇ」
「ぼくはイトリさんほどじゃないよ」
「ま、叶華には蓮ちゃんくらい無愛想なのがいいのよ」
「………イトリさん、ぼくの味方じゃなかったの?」
「叶華の色事に関しちゃ、あたしは叶華の味方」


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