![]() == == == == == 「や、ウーさん。 有馬クンに喧嘩売ったんだってねーぇ?」 20区に面白い喰種がいると聞き、足を運んだのだ。 しかしその喰種には会えず、不在で4区の喧嘩も見逃した。 「蓮示くんを手伝ってあげただけ」 「レンジくん?」 「叶華さんまだ会ってなかったんだ。 カラス君のことだよ」 叶華の知らない間に"仲良く"なっていたらしい。 「へぇ〜、それでその蓮示くんって今どこいるの?」 見た限りではいつもの面子しか見受けられない。 「ん〜……分かんない。 誰かに助けられてどっかに連れてかれちゃったから」 イトリから聞いた話では"復讐"は失敗らしい。 「えぇ〜……また無駄足じゃん……」 「ぼくは叶華さんが来てくれて嬉しいけど」 背を向けた後ろから手を引かれた。 振り返って見たウタの表情はいつも通り。 「………今日はその蓮示くんに会いに来ただけ。 悪いけどウーさんに会いに来たわけじゃないの」 ウタの手をすり抜ける。 「………最近冷たいね、叶華さん」 しかし、叶華はそれについては何も言わない。 「また何かありそうだったら教えてよ。 わたしもウーさんの味方だからさ」 ((ぼくを見て)) == == == == == == == == == == 「叶華さん、今は蓮示くんに夢中みたい……」 「へぇ〜、蓮ちゃんにねぇ〜」 「蓮示くん無愛想だし、叶華さんのタイプじゃないと思うんだけど…」 「ここはスキンシップ激しいのが多いしねぇ」 「ぼくはイトリさんほどじゃないよ」 「ま、叶華には蓮ちゃんくらい無愛想なのがいいのよ」 「………イトリさん、ぼくの味方じゃなかったの?」 「叶華の色事に関しちゃ、あたしは叶華の味方」 ← | → |