一時預かり所
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「蓮ちゃん、店終わった?」

イトリは人気のなくなった店内で昔馴染みに連絡する。

『あぁ…』

「んじゃ悪いんだけど荷物取りに来てくんない?」

『荷物……?』

その時、背後から音もなく伸びて来た隙間なく使われたカンバス状態の手により、イトリの手から携帯電話が抜き取られた。




「誰と話してるの…?」




ウタである。

通話相手の名前を見ている。

「蓮示くんだ……」
「おーい、返しな酔っ払い」

興味を失ったウタが通話を切る前に取り返す。

ウタは血酒が残っているボトル探しにこちらから気を逸らした。


『……大丈夫なのか…?』

「もう限界……だからさ、引き取ってくれたまえよ」

店に留めたはいいが、絡みが面倒なようだ。

『何があった…?』

「……ウーさんの前ではもう叶華の話はしない方がいいってだけ。いろいろあって大分傷心中だから」

普段は全く酔わないウタの今の状態に蓮示も納得する。

「分かった………今から行く」




「ねぇイトリさん、もう血酒ないの…?」




お目当てのものがなかったらしく、再び絡んでくる。

「(……店の全部飲み干してまだ飲むワケ…?)」

これでは再入荷まで営業がままならない。

「……蓮ちゃん、ちょいと急いで」
『……分かった』


「ねぇ、イトリさんってば」



((迷惑客・男性喰種1人))
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「…叶華はどうした…?」
「……多分さ、愛って報われたら終わっちゃうんだよ。
だからウーさんの中で一番はこれからも叶華のまま」
「…昨日まで上手くいってただろ……」
「蓮ちゃんはまだまだねー……愛ってそんな簡単じゃないのよ」


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