不愛想な苦労人
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「あ、蓮君だ〜」


友人を見付けた叶華は手を振った。

だが無反応な蓮示。

「むぅ〜」
叶華は蓮示の腕を掴むとズカズカと歩いていく。

「…オイ……」

そのまま"あんていく"へ行った。










「いらっしゃいま…、……叶華さん?」



「久し振りトーカちゃん」

珈琲お願い、と言って端の席に座る。

「…何なんだ…」
「不愛想な蓮君に"自分の変え方講座"!」

意味不明、蓮示が目でものを言ってる。


「お待たせしました」


トーカが珈琲を持ってきてくれた。

「ごゆっくり」
「…しなくていい」

蓮示は接客という言葉を勉強した方がいいと思う。




「まずは自由に生きること……って言いたいけど、蓮君の場合は取り敢えず笑うこと」



ビシッを指さす。

「…ウタは大して笑ってないぞ」

「ウタは心の中で嘲笑う性悪だから別。
あれは自由に生きすぎ」

自分で言って自分でうんうんと頷く。

「ウタやイトリは楽しければいいタイプだから」

「……確かに同じではないな」




「ウタと蓮君を足して2で割ったら丁度いいのにね」




出来る訳ないだろ…と蓮示が呟く。

「出来たらの話!
ホント冗談通じないんだから」

ため息をこぼす叶華。


「蓮君さ、ウタと喧嘩した後ってどうだった?」



((周りは自由な人間ばかり))
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「久し振りに蓮君の珈琲飲みたいな」
「……トーカに淹れてもらえ」
「蓮君も働きなよ、昔みたいに」
「…俺は食材調達が仕事だ」


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