![]() == == == == == 「服から何まで選んでもらってるって本当ですか?」 「旧多一等には関係ないです」 冷たくあしらっても全然折れてくれない。 「あ、その旧多一等って止めません? ピエロ内じゃ宗太って呼ばれてるんで、そっちで」 「それこそどうでもいいです」 そう言っている間にも服やアクセサリーを見ている。 「似合っちゃいるんですけど、何だかな〜。 叶華さん、清楚な服とか似合うイメージなんですよね」 たまに服を捲ってくるので手を払い落とす。 「あ、これから服見に行きましょうよ」 言うが早いか、早速会計を済ませる旧多。 店に行き、白を基調として服を持ってこられる。 「これとか良くないっすか? あ、でもこっちも…」 そして内の何着かを試着させられる。 店員も手伝ってくるものだから断りづらい。 「やっぱ清楚系も似合うじゃないですか」 そしてそのまま購入する。 「あの……私、気に入ったとも買ってくださいとも言ってないんですけど。あと、私の服返して下さい」 その時、着信音が鳴った。 メールだった、ウタからの。 話があるから来てほしいそうだ。 何だろうと考えていると、旧多に覗き見られた。 「丁度いいじゃないですか。 ソレ、見てもらったら」 「買ってもらってもない服なんか着てたら…」 そこで初めて弱気な言葉を漏らす。 「分かってないなぁ。 そんな求められることだけやってたら、いつか飽きられちゃいますよ?ほら、ピエロって結構飽きっぽいし。 たまには自分から気を引きにいかないと」 ((自覚を揺るがす囁き)) == == == == == == == == == == 「僕と寝てみません?」 「は……?」 「あの人とヤりまくってるんでしょ?」 「………何のことです?」 「え?もしかしてまだなんですか?」 「……とりあえず旧多一等とは寝ません、気持ち悪い」 「ぼく結構上手いと思うんですけどねー」 ← | → |