終わり、始まったシナリオ == == == == == 叶華はウタの膝上の座らされて作業を見ていた。 バランスの悪い体は、重たい左に傾きがちだ。 作品としての叶華は、作り手であるウタに右腕をもがれ、作品としての価値を無くし、壊れた。 利き手を無くした叶華。 生活の多くに、ウタの補助を必要とした。 そうでなくても、ウタは世話を焼いたことは明白だが。 叶華がマグカップに左手を伸ばす。 すると、先にウタが取ってしまう。 そして珈琲が口移しで与えられる。 「飲みたくなったら言うように言ったよね……?」 「あ、はい……ごめんなさい…」 こうして2人の制作者と作品の関係は解消され、新たな関係性は築かれていくのだ。 「おいっ、とんでもない物が送られてきてんぞ!」 「なんてことだ!一体誰が………いや、誰の腕だ?」 「あのクインケ、行方不明の一等のじゃないか?」 「平子上等に連絡しろ!確認してもらうんだ!」 翌週、CCG本局に行方不明の一等、神蒼空叶華の右腕がクインケと共に送られてきた。 叶華は殉職扱いとなり、社会的に死んだ。 ((END)) == == == == == == == == == == 「あら、叶華じゃない。ってその腕どーしたの?」 「生まれ変わった証です…!」 「は?」 「叶華、作品辞めたから……」 「??……あんたらよくわかんないわ…」 「叶華はぼくのだから喰べないでね、イトリさん」 「はいはい……とりあえず作品ごっこは辞めたのね。 で?次は恋人ごっこでもしてるの?」 「ごっこじゃないよ…」 ← | |