関係崩壊
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「あの、ウタさ…」


「その服なに?」


返ってきたのは冷たい声。

「ぼくが買ってあげた服じゃないよね」
「これは、……ウタさんと同じピエロの人が…」

冷めた目で見られ、言葉に詰まる。

「へぇ……まあ似合ってると思うよ…」

そう言って作業を始めてしまう。

「ウタさん…」

一番大切な人が離れていく。
焦燥感に駆られ、手を伸ばそうとした。





「サイズも合ってるみたいだけど………なに?ぼくにするみたいに脱いだの?それともそいつと寝たの?」





怒っているのが分かる。

「違います!私はウタさんの物で……!」

すると、ウタが動いた気がした。

目で追えるスピードではなかった。
気付けば床に押し倒され、首に手を掛けられていた。

「……ぼくの物なら何で勝手なことするの…?」


殺されるかもしれないと思った。

いや、壊されるかもしれない。
作品として無価値な物に。

死への恐怖はなかった。

もとより叶華にとっての繋がりはウタのみ。

作品でなくなれば、繋がりもなくなる。

何もないのなら、生に未練もない。





「あんまり勝手だと……壊すよ…?」





「……分かりました。"壊して"ください。ウタさんの作品でいられないなら、生きる理由なんてない…」






受け入れるように手を広げる。

だが、それは他ならぬウタに払い落とされた。

「違う……違う……」

「ウタさん……?」

そして突然抱き締められた。

「叶華……ぼくは殺したいわけじゃない」

暫く無言の状態が続いた。
叶華はどうにもできず、固まっていた。


「………叶華」

「、はい」

急に呼ばれ、慌てて返事をする。

「やっぱり壊す……。
勝手に離れてく叶華は…いらない……」

叶華は覚悟を決めて目を瞑った。





「だから……これからは1人の人間として…ぼくの隣にいて」




((進展の前の変革))
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「そのピエロって……?」
「宗太(?)……って言ってました」
「あぁ、彼……」
「本当にメンバーだったんですか?」
「うん……仲間内でもマスク外さないけどね」


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