おやつを貰うよ
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イトリの店を出て、4区に帰る途中………。


「こんな時間に彷徨いていると喰種に襲われ……」


どうやら喰種捜査官のようだ。しかも"箱持ち"。

男の視線はウタに向いていた。

「その目、…貴様喰種だな!
ということはそっちの女もか!」

いきなりクインケを展開してきた。



「ウタ、サングラス忘れてる」

常に赫眼状態のウタは外出時はサングラスをしている。
今回のようにかけ忘れると1発で喰種だとバレる。

「…イトリさんのトコに忘れたみたい」




2人が呑気に会話している間も捜査官は隙を狙っていた。

「どうする?」
「どうせだからおやつだけ貰っていこう…」

昔ほどではないが戦い好きは治っていない。


「はあぁぁぁぁ!」

剣状のクインケを振りかざした捜査官。

ウタがその場から消えるが叶華は突っ立っている。

「死ね!喰ーー」

捜査官の胸から腕が生えた。

「ぐっふ……。
き…貴様ぁ………」

血を吐きながら背後に目をやる。



「大丈夫?叶華」


背後から捜査官を貫いたのはウタ。

「血、付いちゃった」

叶華のスカートと靴についた血液。
それは先程捜査官が吐いたもの。

「また買ってあげるよ」

「いい、たくさんあるから」

ウタが腕を抜くと倒れる捜査官。

苦しげに唸っている。
どうやら死ねなかったらしい。

「あれ、殺す気で刺したんだけどな…」

「腕が鈍ったんじゃない?」





「…じゃあ今楽にしてあげるね」




((2つの空洞))
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「ウーさん昨日サングラス忘れて帰ったでしょ」
「うん、叶華にも言われた」
「白鳩殺したのもウーさんでしょ」
「うん、おやつだけ貰ったよ」


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