おやつを貰うよ == == == == == イトリの店を出て、4区に帰る途中………。 「こんな時間に彷徨いていると喰種に襲われ……」 どうやら喰種捜査官のようだ。しかも"箱持ち"。 男の視線はウタに向いていた。 「その目、…貴様喰種だな! ということはそっちの女もか!」 いきなりクインケを展開してきた。 「ウタ、サングラス忘れてる」 常に赫眼状態のウタは外出時はサングラスをしている。 今回のようにかけ忘れると1発で喰種だとバレる。 「…イトリさんのトコに忘れたみたい」 2人が呑気に会話している間も捜査官は隙を狙っていた。 「どうする?」 「どうせだからおやつだけ貰っていこう…」 昔ほどではないが戦い好きは治っていない。 「はあぁぁぁぁ!」 剣状のクインケを振りかざした捜査官。 ウタがその場から消えるが叶華は突っ立っている。 「死ね!喰ーー」 捜査官の胸から腕が生えた。 「ぐっふ……。 き…貴様ぁ………」 血を吐きながら背後に目をやる。 「大丈夫?叶華」 背後から捜査官を貫いたのはウタ。 「血、付いちゃった」 叶華のスカートと靴についた血液。 それは先程捜査官が吐いたもの。 「また買ってあげるよ」 「いい、たくさんあるから」 ウタが腕を抜くと倒れる捜査官。 苦しげに唸っている。 どうやら死ねなかったらしい。 「あれ、殺す気で刺したんだけどな…」 「腕が鈍ったんじゃない?」 「…じゃあ今楽にしてあげるね」 ((2つの空洞)) == == == == == == == == == == 「ウーさん昨日サングラス忘れて帰ったでしょ」 「うん、叶華にも言われた」 「白鳩殺したのもウーさんでしょ」 「うん、おやつだけ貰ったよ」 ← | → |