よりよい物へ
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休暇も明け、仕事場へ向かった叶華。


「おはようございます!平子さん」

上司の背中を見付け、挨拶をする。

「ああ……。
……休暇はちゃんと休めたか…?」

冴えない顔をしてるが、これでも上等捜査官。

「はい!」

あの後、ウタとショッピングに出掛けたり、最近手掛けた作品を見せてもらったりした。

「そうか……」



「バリバリ働くので無理せずお仕事回してくださいね」















叶華が居なくなった店内で、ウタは店も開けずに作業台に向かっていた。

「はぁ……」

しかし、ため息ばかりで作業が進まない。

原因はわかっている。

「…叶華……」

久しぶりに会った"作品"のせい。



十数年前に拾い、作品として自分好みに育てた人間。
どこまでも思い描いたままに成長する生きた作品。

だが、今はどこか物足りなさを感じていた。



ウタは作業を止め、出掛ける準備をした。

友人に意見を求めてみることにしたのだ。

選んだのは無口な友人ではなく、物知りな友人。






「え、まだ"作品ごっこ"やってたの?」



イトリは驚いて、そして笑った。

「確かに素材は良かったけどさぁ、普通育てる?
いくら気に入ったからってねぇ……」

ウタは血酒を飲みながら仕方ないと思った。

「ぼくだってもの作りの端くれだから…」

いい素材があったら作りたくなる、というのがウタの弁だ。


「ま、あたしゃ素人だしねぇ〜。
それでもあたしの意見が聞きたいって?」

「うん……どうしたらもっといい作品になるかな…?」

もの好きだねぇ、と言いながらも考えてくれる。





「そうねぇ……さっきも言ったけどあたしゃ素人だし、大したこと言えないけど……………"作品"と"作り手"って関係だけじゃ、いいモンは作れないんじゃない?」



((自らも作品の一部に))
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「で、叶華いま何やってるの?風俗?」「……流石にぼくもそんなトコに放り出さないよ」
「え〜嘘ぉ。てことはまだ寝たことないの?」
「ないよ。……今は捜査官、一等の」
「うわぁー、何でよりにもよって白鳩?」
「程よく鍛えれるし、自分の身は自分で守ってくれないと」
「情報も得られるし?」
「それはどうでもいいけど、イトリさんが要るなら聞くけど」


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