鋼の糸
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「はぁ……研くんが喰種に…」

気の抜けた返事をしたのは叶華だ。

「そうなんだ……だから、今後はあまり僕に近付かない方が…」





「何だか……――とっても馬鹿みたいなお願いをされた気分」





イトリたちが興味深そうに聞いている。

「馬鹿みたいって……僕は叶華ちゃんを思って…」
「なにその自己満足」

「っ、」

叶華は磨いていたグラスを置き、金木に顔を近づけた。


「ねぇ、それ永近くんにも言った?」


叶華が真剣であることが伝わってくる。
永近を"永っち"と呼ばない時は真剣な証だ。

「それは……」

金木が困っていると叶華は笑った。

「研くん、私って結構欲張りだよ?」







「――喰種だからなに?
その程度の理由で私が大事な人を見捨てると思った?」





((貴方が貴方で、私が私である限り))
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「……、ありがとう」
「いや〜、思ってたより男前じゃない叶華」
「ほんと。イトリさん惚れちゃうんじゃない?」
「まっさか〜。男にしちゃ抱き心地良すぎよ」
「……この通り、私の周り喰種が多いから…」
「そ、そうだね…」


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