![]() == == == == == 「はぁ……研くんが喰種に…」 気の抜けた返事をしたのは叶華だ。 「そうなんだ……だから、今後はあまり僕に近付かない方が…」 「何だか……――とっても馬鹿みたいなお願いをされた気分」 イトリたちが興味深そうに聞いている。 「馬鹿みたいって……僕は叶華ちゃんを思って…」 「なにその自己満足」 「っ、」 叶華は磨いていたグラスを置き、金木に顔を近づけた。 「ねぇ、それ永近くんにも言った?」 叶華が真剣であることが伝わってくる。 永近を"永っち"と呼ばない時は真剣な証だ。 「それは……」 金木が困っていると叶華は笑った。 「研くん、私って結構欲張りだよ?」 「――喰種だからなに? その程度の理由で私が大事な人を見捨てると思った?」 ((貴方が貴方で、私が私である限り)) == == == == == == == == == == 「……、ありがとう」 「いや〜、思ってたより男前じゃない叶華」 「ほんと。イトリさん惚れちゃうんじゃない?」 「まっさか〜。男にしちゃ抱き心地良すぎよ」 「……この通り、私の周り喰種が多いから…」 「そ、そうだね…」 ← | |