傲慢なショウネン
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前線
新宿五丁目交差点


ミカとグレンが刃を交えていた。

ガッ  キィンッ

1度距離を取り、再び向かっていく。

ガガガガガ ダンッ



「おーおー、なんだてめぇ強ぇ〜なおい!」

「…そう?でも君は強くない」

不敵な笑みを浮かべているグレンを無表情に見る。

「そうか?」

ヒュッ トン

一瞬で間を詰めたグレン。
ミカの額に呪符を貼り付ける。




「爆裂しろーー不動明王呪」




大きな爆発が起こる。

離れた場所に降りたグレン。
すぐに人影が降りてくる。

「…ちっ今のよけんのかよ」

「爆発が遅いよ。それにそんな古い呪術が吸血鬼に通用するとでも?」


「あーはー」


ミカが振り向く。

「さっすがミカ君。
第三位始祖クルル・ツェペシのお気に入り」

フェリドが高所から見下ろしていた。

隣には下ろされたらしいフードの少女もいる。



「圧倒的な力と傲慢さ。
でもその傲慢さは足元をすくうよ」



手伝おうか?と笑いながら聞く。

「…なんだよそれ、どこに僕の負けがある?」

すると少女が指をさした。

「?」





「だから足元。
敵は最初から1対1で戦う気はないよ」



「バレたぞ時雨、殺れ」





ミカの足元に張り巡らされたワイヤー。

「はい」

後方に立っていた時雨がそれらを引く。
地面から抜けたクナイはミカに向かっている。

ドドドドド

上空に飛び、辛うじてその攻撃を避ける。


「五士、幻術展開」


「もうやってる」

煙管を構えた男。
煙が姿を変え、ミカに襲い掛かる。

「っ…」

それも避ける。

だが…。





「ほら、チェックメイトだ吸血鬼」





最初から1人で戦っていなかったグレン。

仲間のサポートを受け、ミカを追い詰める。

「ーー!!」

背後を取られ、流石に身の危険を感じる。

グレンの刀が振り下ろされる。




ガキンッ


((足元を掬われた者は空中で傷を負う))
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「うわー敵が来たー、助けてー」
「猿芝居…」
「えぇーひどいなぁ」
「……普通に殺してる」
「だって殺そうとしてきたし〜?」


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