![]() == == == == == ーーこれはキオクだ。 「これじゃ俺たち家畜じゃねぇか!!」 ーー4年前の記憶。 「だからミカ!ルカ!革命起こそうぜ、革命! いつまでも家畜やってられっかよ!!」 「もう優くんったら…」 「優ちゃんはいっつも馬鹿なんだから」 「いっつもってなんだよ!?」 ーーまだ僕が人間であることを失う前の記憶。 「力で吸血鬼に勝てるわけないでしょう。 頭使うの、頭」 「頭?」 「実は脱走計画があるんだ」 「あぁ、だから最近考え事に夢中だったんだ」 「うん。僕と優ちゃんとルカ、百夜孤児院の子供たちみんなで、この吸血鬼の世界から逃げよう!僕に任せておいてよ! ーーそしてこの僕の浅はかな計画で僕らは全てを失った。 「に……逃げて…優ちゃん……ルカを…連れて…」 息も絶え絶えに優に懇願する。 「い…いやだ…」 「行けよ馬鹿!!早く!!」 優は涙を流し、駆け出した。 「よ…よかった……。 優ちゃんだけでも逃げられたら…僕は……」 ミカはルカを見た。 ルカの首筋からは血が流れている。 紫の瞳は焦点が合っていない。 「…ミ、カ……」 「どういうことだ!!」 「フェリド様が撃たれてるぞ!!」 フードを被った吸血鬼たちが駆けつける。 死んでいる子供たちには目もくれない。 生きているルカやミカを取り囲む。 「おのれ家畜の分際で貴族に手を掛けるとは……殺してやる!」 2人の首を捩じ切ろうと足を上げる。 カッ 「やめなさい。 その人間は私のものです ((すべては弄ばれた計画)) == == == == == == == == == == 「(やっぱり優ちゃんはすごいや…。 本当に吸血鬼を倒しちゃうんだから。 ゴメンね、優ちゃん、ルカ、みんな。 僕がこんなことを計画したせいで……)」 ← | → |