吸血鬼のシハイ
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神戸・三宮


「よ…ヨハネの四騎士だ!!
逃げろ!!皆殺しにされるぞ!!」

人間たちは逃げ惑う。

巨大なバケモノから。

子供も大人も、女も男も、老いも若きも。


ガッ

1人の少女が石に躓きこけた。

「ぁ、……!!」




少女を背に庇うように立つ少年。


「ーー剣よ」




剣から蔓が伸び、手を突き刺す。

ヨハネの四騎士がマントの少年に襲い掛かる。

ヒュ
バケモノは両断され、肉塊となって地面を汚す。


「きゅ、吸血鬼が助けにきてくれたぞ!!」
「助かった!!」
「これで俺達も大阪みたいに吸血鬼の方々に守ってもらえる!」

歓喜に沸く人間たち。


「あはは、守るだって。
笑わせるね」

吸血鬼の少年ミカエラに近付くもう1人の吸血鬼。




ラスク・ウェルト

「家畜を守るかよ。
"飼う"の間違いだ」




ミカは何も言わない。

「しかし君はさすがに強いなぁ〜」

吸血鬼になってたった4年でこの力。

「第三位始祖クルル・ツェペシ様の血を飲んで吸血鬼化したって噂はあったけど……あれはやはり事実なのかな」

そこへもう1人の吸血鬼も加わる。




レーネ・シム

「素性はどうあれ、元は人間。
独断専行して手柄を独り占め、所詮は欲深い人間あがり」




「……手柄に興味はない」

好きにしていいよ、と手柄に執着を示さない。

ラクスとレーネは顔を見合わせ、ため息をつく。

そして人間たちの前に立つ。

「この地は吸血鬼が守り、支配することになります。
皆さんの安全を保障するかわりに我々はみなさんに血液の提供をお願いすることに…」


「……あ、あの…」

レーネが人間たちに指示を出す中、ミカに近付く先程の少女。

「あなたは命の恩人です…。
ありがとうございます」

少し戸惑うような顔で、服をずらし肩を晒す。



「お礼に私の血を吸って下さい…。
あなたになら………私…」



((支配に気付かぬ愚かな人間))
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「ミカ君は今頃神戸ですかねぇ」
「…私も行く」
「だめですよ〜」
「邪魔」
「相変わらず冷たいなぁルカちゃん」


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