人間を襲うバケモノ
== == == == ==


「"ヨハネの四騎士"…?」



ルカは首を傾げた。

フェリドはいつもルカの知らないことを教えてくれる。

「ウイルスの蔓延と同時期に出現したバケモノですよ。
ま、バケモノと言っても人間にとっては、ですがねぇ」

「人間にとっては…?」

「ヨハネの四騎士は人間しか襲いませんから♪」

何と残酷なバケモノだろう。

人間たちが強いられている状況を知っているルカ。

「(なら城壁の中に入れない人間は……)」

家畜でも命が保障されるなら吸血鬼につくかもしれない。





「その習性を利用して、人間と戦う時の囮にしたり、捕虜獲得の餌に使うこともあるみたいですけど」





「ーー!」

確かに、人間だけ襲うならそういう使い方もある。

「…どうして人間だけを……」

フェリドは真剣に考えているルカが面白かった。

「さぁ?
増えすぎた人間を罰しているんじゃないですかぁ〜?」

ルカはフェリドに視線を向ける。

睨みはしない。
そんなことに意味はないから。















「ふざけんなよてめぇ!!!
ガキ1人救えなくて何が吸血鬼殲滅部隊だよ!!!」




ヨハネの四騎士に襲われている少女を助けに行こうとする。

それを三葉に止められる。

「今あの少女を救おうとすれば我々は全滅の可能性も…!」

だが優はその手を振り払う。

「ならてめぇらは撤退しろ!
俺が囮になってあいつを救う!俺は…」

そしてヨハネの四騎士に向かっていく。



「もう誰かを見捨てて生き延びるなんて絶対嫌なんだよ!」




((守りたければ命を懸けるしかない))
== == == == == == == == == ==
「いったいどういうつもりだ!!
お前の行動が部隊を危険にさらしたんだぞ!!」
「……ああそうだな。
だが反省はしない。子供は救う必要があった。
だからどんな状況でも俺は同じ行動をした」


|



TOP