中佐のグレン
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4年前



「いったい…どうなってる…?
世界は滅んだんじゃねぇのかよ?」


風が草を揺らす中、優は男に聞いた。

「世界が滅んだ?
そりゃ吸血鬼共に聞いたのか?」

コクリと頷く。

「あのウイルスで人口は10分の1に減ったし、黙示録のラッパのせいで奇妙なバケモノどもが地上を闊歩するようになったが…」

黙示録やらラッパやら、優には理解できない。



「それでもそんな人間はやわじゃねえよ。
復興は始まっている」



「ふ…復興?」

「だがその中でも俺たちの組織が一番になる予定だ。
生き残った人間をまとめ、俺たちが世界の覇権を奪う」

優は男に何者かと聞いた。





「俺は一瀬グレン中佐だ。
所属は日本帝鬼軍」





聞いたことのない組織だった。

「俺と来れば吸血鬼共を殺せるぞ?
お前、あいつらが憎いんだろう?」

グレンは手を差し伸べた。

「憎い……」


「なら俺と一緒に来い。
お前に必要な力をやる」



((その瞳に宿るは野望か、それとも…))
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「…とか言ってあの馬鹿グレン。
俺をもう4年も放置ってどういうことだよ。
さっさと吸血鬼殲滅部隊に入れろっての!)」


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