別れのナミダ
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ガシャッ


優は銃を投げ捨て、ミカに駆け寄った。

「ミカ!!ミ…!」

ミカは呼吸もままならない、辛うじて生きている様子だ。

「行って……優ちゃん…。
地図の通りなら…出口は……すぐ…」

懸命に言葉を紡ぐミカ。

「ふざけんな!!」

優はミカを抱き起す。



「ミカもルカも一緒に行くんだ!一緒に…!!」



フェリドの近くに倒れているルカ。

貧血のためか少し辛そうに顔を歪めている。





「いたぞ!!」
「あそこだ!!」


空気を裂くように聞こえた声。

「追え!!フェリド様も倒れてるぞ!」

吸血鬼たちだった。





「行って……ルカを連れて…早く……。
…僕たちを……無駄に…しないで…」

血や涙を流しながら優に頼む。

「い…嫌だ……」

ミカの頬に水滴が落ちる。



「俺の……家族……。
やっと…やっと手に入ったのに……」



優の流す涙だった。

4年ほどの付き合いの中で、そんな姿は初めて見た。

「置いてなんかいけるか…!!」

優はミカを引っ張て行こうとする。
しかし、血で滑ってしまう。

そうしている間に、どんどん吸血鬼たちが迫っている。


ドンッ






「は…行けよ早く!!バカ!!!」




((悲しみも喜びもすべてを乗せて))
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「ルカっ」
「…、……」
「くそっ!起きろ!起きてくれっ!」
「…逃げ……て…」
「っ!ルカ!!」
「優く……行って…わたし、は…」
「(足を…!)放せよ!ルカを放せよ吸血鬼!」


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