![]() == == == == == 危うい場面もありながら、順調に進んだ脱出劇。 ルカたちは出口の手前まで来ていた。 「……と緊張してみたはいいけど…。 あっさり門に着いちゃったぞ。 まじでここ出口なのか?」 ルカも流石に不審に思う。 「うん……地図によるとそうなるね」 「その地図、本当に正しいのかな? 綺麗に書かれてるけど、罠だったり……」 吸血鬼がわざわざそんなことしないよ、と否定される。 「てかまあ吸血鬼も人間が逃げるなんて思ってなかったんだろうね。外はウイルスだらけっていうし」 でも近すぎだろ、と優はルカ寄りの考えのようだ。 ミカは家畜小屋を例えに持ち出した。 スキ間だらけなのに家畜は逃げない、と。 「馬鹿にされてたんだ」 「でも俺らは逃げる」 「家畜じゃないからねぇ。 なんせ僕、天才なんで」 ミカがそう言うと子供たちまで僕もーと言い始める。 「じゃあ百夜孤児院のみんな天才だね」 ルカがそう言えばミカも同意してくれた。 「あ、カッコ優ちゃん除くカッコ閉じ」 「カッコ閉じじゃねーよ」 一瞬声を低くした優だが、すぐに笑った。 誰しも嬉しいはずだ。 漸く家畜を卒業できるのだ。 子供たちの表情には希望で満ち溢れていた。 「さあ行こうぜ」 「ああ」 「うん」 「あはぁ〜」 ((希望の光はすぐそこに)) == == == == == == == == == == 「ルカ姉ちゃん、ココから出たら血採られなくて済むの?」 「そうだよ。それに毎日美味しいご飯もあるんだ」 「ホントっ!?カレーは!?」 「もちろんお腹一杯食べられるよ」 「やったー!」 ← | |