逃げ出すカチク
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危うい場面もありながら、順調に進んだ脱出劇。

ルカたちは出口の手前まで来ていた。



「……と緊張してみたはいいけど…。
あっさり門に着いちゃったぞ。
まじでここ出口なのか?」



ルカも流石に不審に思う。

「うん……地図によるとそうなるね」

「その地図、本当に正しいのかな?
綺麗に書かれてるけど、罠だったり……」

吸血鬼がわざわざそんなことしないよ、と否定される。


「てかまあ吸血鬼も人間が逃げるなんて思ってなかったんだろうね。外はウイルスだらけっていうし」

でも近すぎだろ、と優はルカ寄りの考えのようだ。

ミカは家畜小屋を例えに持ち出した。
スキ間だらけなのに家畜は逃げない、と。

「馬鹿にされてたんだ」




「でも俺らは逃げる」




「家畜じゃないからねぇ。
なんせ僕、天才なんで」

ミカがそう言うと子供たちまで僕もーと言い始める。

「じゃあ百夜孤児院のみんな天才だね」

ルカがそう言えばミカも同意してくれた。


「あ、カッコ優ちゃん除くカッコ閉じ」

「カッコ閉じじゃねーよ」

一瞬声を低くした優だが、すぐに笑った。

誰しも嬉しいはずだ。
漸く家畜を卒業できるのだ。

子供たちの表情には希望で満ち溢れていた。





「さあ行こうぜ」

「ああ」
「うん」







「あはぁ〜」




((希望の光はすぐそこに))
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「ルカ姉ちゃん、ココから出たら血採られなくて済むの?」
「そうだよ。それに毎日美味しいご飯もあるんだ」
「ホントっ!?カレーは!?」
「もちろんお腹一杯食べられるよ」
「やったー!」


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