![]() == == == == == 「な…お前…!!」 「しーっ、静かに」 「ん、……どしたの…?」 むくりと起き上がったルカ。 「あーあ、ルカ起こしちゃった」 まあいいか、と片付けてルカも近くに呼んだ。 「これを見付けるために今までフェリドに近付いていたんだ」 ミカにとって予想外だったのは、フェリドの屋敷が広くて探すのに時間がかかったこと。 「でもついにお目当てのモノを手に入れたからもう逃げます。 今日!いま!すぐ!」 「はああああああ!!?」 「え…?」 流石の優も話についていけない。 「ささ、みんな起こしてすぐ行くよ」 「ち…ちょっと待て、あのその」 「流石にそんな無計画なのは…」 だが大丈夫、全部計画済みだから、と言われる。 「どっかの馬鹿が吸血鬼殺す〜って筋トレしてる間に僕独りですっごい準備して…」 ん、とそこで何かに気付く優。 「てめっ、その馬鹿って俺のことじゃねぇか!!!!」 「え〜今頃気付いたの?」 「ミカ……」 これ以上優を怒らせないようにミカを止めようとする。 「つかお前…外のウイルスはどうするんだよ?」 「あれ確か13歳以下には感染しないんでしょ? 僕と優ちゃんとルカは今12歳」 残った1年で考えよう、と提案する。 「僕ら3人なら…いや、百夜孤児院の家族が集まればきっとどんなことでもなんとかなる!」 『……』 ルカは優を見た。 優も同じような顔をしていた。 「計画的なのか無計画なのかわかんねー奴だな…」 「何の話してるの、3人とも?」 茜が起きたようだ。 「……わかったよ。 行こうぜ」 優の決断にミカの表情にも自信が宿る。 「よし!行こう! 茜ちゃん、みんなを起こして!」 「な…何?」 寝起きとついていけない話。 戸惑う茜の肩にルカは手を置いた。 大丈夫、私もよく分かんない、そんな感じで。 「この世界から逃げるぞ!」 ((陽の下で会おう)) == == == == == == == == == == 「かくかくしかじかで…」 「ごめんミカ、分かんない」 「えぇ〜、じゃあ説明は後ね」 「気になるよ」 ← | → |