掴んだキボウ
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「俺だって馬鹿じゃねぇんだ。

いくら体鍛えたって人間が吸血鬼相手に何もできないなんて……ンなこと本当は…」



「優ちゃん」



しー、と人差し指を口元に持ってくる。

「それ以上言うなよ。
優ちゃんの言葉、子供たちは信じてるんだから…」


吸血鬼は倒せる

俺たちは負けない


「そう繰り返す優ちゃんの言葉に…僕も元気づけられ…て…」

ミカの頬を涙が伝う。

「お…おいミカ。
お前本当に吸血鬼に何され…」

心配してミカに近寄る優。





「なんちゃって〜〜〜」





「……」

舌を出してにっこり笑うミカ。
騙された。

「僕が泣くと思った?思った?」

うそでしたー、と楽し気に笑う。

「……お前いつか殺す」


「……本当に大丈夫だったのか?」

騙されたものの、心配でしょうがない。

「ま、大丈夫じゃないけどねー。けどタダで吸血鬼に血を吸われるような玉じゃないのだよ、このミカエラ様は」

するとごそごそと懐を漁る。



「じゃん」


取り出したのは少しばかり装飾の施された銃。

「?何だそりゃ?」

「武器だよーん。
フェリドの館から色々パクってきちゃいました」

これは優ちゃんにあげる、と渡す。

「…マジかよ……」

人を殺せる武器、流石にその重みを感じたようだ。

「でもこんなのは別に大したことないんだ。
それよりもこれを見てよ」

次に取り出したのは綺麗に丸められた紙。

「これは……?」





「地図でーす。

それもなんと!
この吸血鬼世界から人間世界への出口が書かれている地図!」





((たった一筋、されど眩い希望))
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「すげーな、コレ。どーやって撃つんだ?」
「わわわ優ちゃん!それルカに向けちゃダメ!」
「ん?あぁそっか、こっから出てくるのか」
「だーかーらー、覗き込むのもダメ!」
「ンだよ、俺にくれるんだろ?」
「そうだけど、使う前に自分や仲間殺しちゃ元も子もないでしょ」


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