幸せのタイカ
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スヤスヤと気持ちよさげな寝息が聞こえる。

ルカは茜と向かい合って寝ていた。

昔は優やミカと寝ていたが、最近は専ら茜と寝ている。
同性の方が話しやすいことがあるからだ。



カチャッ


「!」

1人起きていた優は入ってきた子供を見た。

「や、帰ったよ優ちゃん」

ミカだった。

その首筋に血が垂れているのを見付ける。
その姿に怒ることも謝ることもできず、あっそ、と寝転がる。


「お帰りは言ってくれないの?」

「んあー、取り敢えずお前の分のカレーは食った。
ルカも少し手伝ってうまかった」

「えっ嘘!」

食べたかったなぁ…と落ち込んでるミカ。

「嘘だよ、ガキんちょ共みんな喜んでた」

「それはよかった」

笑顔が戻るミカ。





「で?
そのカレーのためにおまえは何された?」





一瞬口を噤む。

そして困った顔で優を見た。

「…ったく、お前は……。
次はもう行くなよ、今度は俺が血を売るよ」
「優ちゃんはいいよ。
体鍛えて強くなって吸血鬼を殺してくれるんでしょ?」

それまでは僕が、と言うミカ。


「ざけんな」


起き上がった優は少し怒っていた。

しかし、ミカの言葉に怒っているようには見えない。
何もできない自分に苛立っているようだった。






「お前1人でなんでも背負い込むなよ」



((犠牲なくして幸せは得られない))
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「優くんたちはいいよね〜」
「ねぇ〜」
「女の子って大変なんだから」
「そーそー、優ちゃんたち分かってくれないから」
「気を付けないと吸血鬼にまで目付けられるもんね」
「ホント、女の子って苦労するよね」


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