![]() == == == == == スヤスヤと気持ちよさげな寝息が聞こえる。 ルカは茜と向かい合って寝ていた。 昔は優やミカと寝ていたが、最近は専ら茜と寝ている。 同性の方が話しやすいことがあるからだ。 カチャッ 「!」 1人起きていた優は入ってきた子供を見た。 「や、帰ったよ優ちゃん」 ミカだった。 その首筋に血が垂れているのを見付ける。 その姿に怒ることも謝ることもできず、あっそ、と寝転がる。 「お帰りは言ってくれないの?」 「んあー、取り敢えずお前の分のカレーは食った。 ルカも少し手伝ってうまかった」 「えっ嘘!」 食べたかったなぁ…と落ち込んでるミカ。 「嘘だよ、ガキんちょ共みんな喜んでた」 「それはよかった」 笑顔が戻るミカ。 「で? そのカレーのためにおまえは何された?」 一瞬口を噤む。 そして困った顔で優を見た。 「…ったく、お前は……。 次はもう行くなよ、今度は俺が血を売るよ」 「優ちゃんはいいよ。 体鍛えて強くなって吸血鬼を殺してくれるんでしょ?」 それまでは僕が、と言うミカ。 「ざけんな」 起き上がった優は少し怒っていた。 しかし、ミカの言葉に怒っているようには見えない。 何もできない自分に苛立っているようだった。 「お前1人でなんでも背負い込むなよ」 ((犠牲なくして幸せは得られない)) == == == == == == == == == == 「優くんたちはいいよね〜」 「ねぇ〜」 「女の子って大変なんだから」 「そーそー、優ちゃんたち分かってくれないから」 「気を付けないと吸血鬼にまで目付けられるもんね」 「ホント、女の子って苦労するよね」 ← | → |