血の繋がらないカゾク
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「…あー、むかつく……」

優は床に寝転がっていた。
隣ではルカがスースー寝息をたてている。

「ぁ、お前のことじゃねーからなルカ」

寝ているルカに聞こえているはずはないが弁解する。



「まーた優ちゃんここにいた」



聞こえてきた子供の声。
ちーす、と手を振ったのは優も見知った顔だった。

「あれ、ルカもいるの?」

「んだよ茜かよ……」

「はーい、茜ちゃんでーす」

優たちと同じ服を着た茜は明るく笑った。


「んで、何してんの?
ルカはいるのに、ミカは一緒じゃないの?」

「一緒じゃねーよあんな奴!!」

先程の出来事を受け入れられずそんな風に言ってしまう。

「ほぇ?何怒ってんの?」
「うるせーな、そばに来んなよ」

茜は優の睨みを無視して歩み寄る。

「来んなってのに!」

「いいじゃーん、ルカだっているんだし?」

茜は優の隣に腰を下ろし、ルカの頭を撫でる。





「私たちみんな家族なんだから」


「……俺に家族なんていねぇよ」





幸せそうなルカの寝顔を見て笑った。

「いますー。百夜孤児院のみんなは一つの家族だって、院長先生言ってましたー」

「アホか」

そう言いながらも過去を思い出す。


4年前の、クリスマスの日を……。



((大切な人が増えた日))
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「ルカの寝顔見てるとこっちまで眠るなっちゃうよね」
「ん…別にそうでもない」
「ウソついちゃだめなんですー」
「あ"ぁ?ウソなんかついてねーっての!」
「昔ルカの隣でミカと一緒に川の字でお昼寝してたの知ってるんだから」


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