眠るカゾク
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「…っ、」


ふらりとバランスを崩したルカ。
辛うじて壁にもたれかかる。

「(頭くらくらする…)」

ちょっと休憩、と座り込む。

「(眠……)」

突如襲った眠気に瞼を上げておくのも限界。


「(ちょっとだけ…ちょっとだけ……)」










「ルカ、どこにいるんだ…」



少し先にうずくまっている子供を見付ける。

「おい、大丈夫か…って、ルカ?」

駆け寄って顔を見てみれば見慣れた少女。

「寝てんのか?
おーい、大丈夫かー?」

ゆさゆさと揺らしてみる。

「…ん、……」



「ココに置いとくと吸血鬼共に何されるかわかんねーな。
……運ぶか」



優は床と仲良くしているルカをおんぶする。

「ーーッ!」

ビクゥ!と肩を跳ね上げる。

「…、…ぃぃ…におぃ……」

おんぶされ優の首筋に近い場所にあるルカの顔。
ルカはスリスリと頬ずりしていた。

「び…ビビったぁ……」

ほっと安堵の息を吐きながら肩を撫で下ろす。





「…何でこう無防備なんだか……」



((守るのが俺の使命))
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「(首に絆創膏…?)」
「(スースー…Zzz)」
「…ルカまで"自分から"何て言うなよ…」
「ん……優、くん……」
「吸血鬼共に無理やりやられてんだろ…」
「(Zzz…)」


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