柊のシマイ
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「しーちゃん、殺っちゃってください」


優が吹き飛ばされいなくなった屋上。

シノアの鬼呪が発動した。

それを一振りで切り伏せるグレン。
だが背後に回ったシノアが首元に鎌を突き付ける。

「はっ、何故止める?」

殺りたきゃ殺れよ、と言う。

「私の武器の長所は特殊能力ですから。
接近戦じゃ全然中佐にはかないません」

グレンの技量なら簡単に避けてしまう。



「お前にだったら殺されてもいい」





「柊真昼を……私の姉を殺した罪滅ぼしにですか?」





グレンが振り返る。

「その刀の中には私の姉が入っているのでしょう?」

名前を呼んでるの聞こえちゃいました、と言う。

「真昼はもういない……」

鬼になり鬼呪を完成させて世界を救った。

だがシノアは笑う。


「姉は世界なんかに興味のある人じゃなかった。
ただただあなたに恋をしていただけ」

決して結ばれない運命のグレンを欲した。

そして鬼に取り憑かれてしまった。

「なのに8年前ーー世界が突如終わっちゃって」



抗ウイルス薬を持っていなかった大人たちは全員死亡

大地には人間を襲う"ヨハネの四騎士"がどこからともなく現れ

人口激減による血液不足を恐れた吸血鬼が人間を管理し始めた



誰かが言った。

ーーこれは破滅だ、黙示録だ
ーー増えすぎた人間に神の罰が下ったのだ

もしも真昼が"鬼呪装備"を完成させていなければ本当に人間は滅びていたかもしれない。






「恋する乙女が一転、まるで救世主ですよ。

でも彼女は殺された。
研究に取り憑かれて鬼に成り果てたから。


姉のかつての恋人、一瀬グレン」






ということに表向きはなっている。

でなかれば真昼がグレンの刀の中にいるはずがない。

「もしかして姉がその刀の中でまだ中佐と一緒にいるんじゃないですか?中佐は姉に取り憑かれている」


((家族が何なのかも分からず育った))
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「血の繋がらない家族に必死になってるのを見せられちゃうとちょっと…」
「ん?」
「友達や仲間をもう少し大切にしてみてもいいかなぁと思いまして…」


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