2つのタイプ
== == == == ==

「私、普段鎌持ってないでしょう?
でもどこからともなく、"鬼"と"武器"を具現化しちゃいまーす」



しーちゃん出てきてー、と言う。

ヴヴンッ

ズッと鎌が現れ、その背後にはいつぞやの黒い影。

「おーーー!」

優は深夜の言葉を思い出す。

「んじゃこれが"具現化"か?」

「そうでーす。契約した鬼を外に出して特殊な能力を使えるようにした状態です」

以前のように斬りかかったりはしない。


「ちなみに彼女は私が契約している"四鎌童子"のしーちゃんです。ね、しーちゃん」

「………」

「愛想ねぇなぁ」

優が言えたことか。
高校時代などは人付き合いが壊滅的だ。

「鬼は基本外では喋らないですからねぇ〜。
でも私の心にはいっぱい話してくれますよ」

優はグレンに阿朱羅丸も外に出せるのか聞く。





「そりゃ契約した"鬼"の性質による。

武器使用者に取り憑いてより強くするタイプか、外に出て特殊な力を使うのが得意なタイプか」





因みにグレンは前者。

「んじゃそれが"憑依化"か?」

肯定する。

「刀を抜いて"鬼呪"を発動してみろ。
俺も普通に"鬼呪"だけ発動する」

斬り合うぞ、と。

優は久しぶりに力を見せられると喜んでいる。

「はっ、どーせ弱いんだろ」


ギンッ キン キィン


「へっへーん、どうよ。
もう昔みたいな差ねぇんじゃねぇの?」

褒めてもいーぞ、と褒めてもらいたいようだ。

軍人と言ってもまだ子供。

「と、今のだ"鬼呪装備"だけの力を使った場合」

グレンは褒めることく話を続ける。

「で、次に鬼を憑依させる」

グレンの雰囲気が変わり、刀を横に持ち上げる。





「俺に憑依しろーーー"真昼"」





「……真昼?」


((力を寄越せ、鬼))
== == == == == == == == == ==
「(って、グレンの雰囲気が全然…)」
「一撃でも受けられたら褒めてやるよ」


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