止まったシコウ
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「ね〜ルカちゃ〜ん」


黙々と本を読み続ける。

「ねぇってば〜」

それでも尚、無視を続ける。

「もぉ、そんなに怒らなくてもさー。
可愛い冗談じゃないか」

反省の色が見えないフェリド。





「最近ルカちゃんが冷たいから、僕から仲良くなろうと頑張ってみたのに〜」


「……余計嫌いになりました」





えぇ〜、とがっかりする。

一体どう考えたらあれで仲良くなれるのか…。

「どうしたらまた名前で呼んでくれるの〜?」

「もう呼びません。
ミカと約束したので」

「何でも買ってあげるよ〜?」

いりません、とバッサリ切り捨てる。

「欲がないな〜、……ホントに人間?」
「当然です」

困り果てて、クローリー君に聞いてみよ、と部屋を出て行った。










ルカは本を閉じた。


「(別にまだ怒ってるわけじゃない…)」


ただ自分が分からない。

吸血鬼にされそうになると、体が震える。

嫌だとか怖いとか、そういうのじゃない。
それがどんな気持ちなのかもわからないけど。





「(ただ……吸血鬼になっちゃダメな気がした…)」




((勘に理由なんてない))
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「ーーでね、どう思う?」
「ん〜?全面的にフェリド君が悪いでしょ、それ」
「うそぉん、僕頑張ったのに?」
「頑張るとこ違うだろ」
「じゃあどうしたらいいと思う〜?
「え、なにフェリド君。本気なの?」
「僕はいつも本気さ♪」
「あ〜そ〜、んじゃ頑張って」


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