![]() == == == == == 「ね〜ルカちゃ〜ん」 黙々と本を読み続ける。 「ねぇってば〜」 それでも尚、無視を続ける。 「もぉ、そんなに怒らなくてもさー。 可愛い冗談じゃないか」 反省の色が見えないフェリド。 「最近ルカちゃんが冷たいから、僕から仲良くなろうと頑張ってみたのに〜」 「……余計嫌いになりました」 えぇ〜、とがっかりする。 一体どう考えたらあれで仲良くなれるのか…。 「どうしたらまた名前で呼んでくれるの〜?」 「もう呼びません。 ミカと約束したので」 「何でも買ってあげるよ〜?」 いりません、とバッサリ切り捨てる。 「欲がないな〜、……ホントに人間?」 「当然です」 困り果てて、クローリー君に聞いてみよ、と部屋を出て行った。 ルカは本を閉じた。 「(別にまだ怒ってるわけじゃない…)」 ただ自分が分からない。 吸血鬼にされそうになると、体が震える。 嫌だとか怖いとか、そういうのじゃない。 それがどんな気持ちなのかもわからないけど。 「(ただ……吸血鬼になっちゃダメな気がした…)」 ((勘に理由なんてない)) == == == == == == == == == == 「ーーでね、どう思う?」 「ん〜?全面的にフェリド君が悪いでしょ、それ」 「うそぉん、僕頑張ったのに?」 「頑張るとこ違うだろ」 「じゃあどうしたらいいと思う〜? 「え、なにフェリド君。本気なの?」 「僕はいつも本気さ♪」 「あ〜そ〜、んじゃ頑張って」 ← | → |