軍内部のスパイ
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「百夜優一郎、逆らえば仲間を殺すぞ。
真実だけ話せ」

君月と与一を拘束した上で優に言う。

暮人は葵から書類を受け取る。




「お前の報告書は少ない。この短期間に急に"鬼呪装備"、それも黒いにシリーズを手に入れた逸材」




その2人もそうか、と君月たちを見る。

「通常"鬼呪装備"試験を受ける者の背景は徹底調査されるが……お前らはされていない」

これは一体どういうことだ?と視線を鋭くする。

「お前らはどこから来た?何を任務としている?」

質問の意味が分からない優。

答えられない優に、暮人はやれ、と部下に命じる。


ドスッ


君月が刺される。

「なっ、やめ…!!」
「真実を答えろ」

「待ってくれよ!真実なんて…!!」

もう一度、やれ、と命じる。

今度は与一が刺される。

「俺の知ってることは何でも答えるからやめてくれ!!」




「当然だ。
ここで日本帝鬼軍にーー我ら柊家に逆らえる者など存在しない」




じゃあ話を進めよう、と言う。

「"お前は吸血鬼の都市で育った。だが逃げ出すことに成功した。その時家族を吸血鬼に殺されて、人一倍吸血鬼に対する復讐心が強い"」

報告書に書いてある優の情報を読み上げる。

事実か?と問う。

「ああ事実だ。だから吸血鬼のスパイなんて…」

「質問されたこと以外答えるな」

悔しそうな顔をする優。


「そしてその後お前は一瀬グレンに拾われた。だがなぜだ?何故グレンはお前を救った?お前はグレンの何だ?」

それは優にも分からない。





「お前は苗字に百夜の名を持っているが、かつて日本最大の権勢を振るった呪術組織"百夜教"の生き残りか?」





優は困惑する。

「俺がいた孤児院の名前をつけただけで…」

"百夜教"など聞いたこともない。


「ちょーっと」


そこで深夜が口を挟んだ。

「これ優ちゃんが吸血鬼のスパイかどうかの質問から離れてない?君はほんとはグレンを疑ってるでしょ」

だが暮人は何も言わない。


「もしくは、彼らをグレンへのスパイに仕立て上げようとしてるとか」


((組織はスパイの有能性で決まる))
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「それはつまり出世ということだろう?
俺の直属の部下になってグレンを探る。
それは彼らにとってもメリットがある」
「はっ、あの有名な柊家様に仕えられるって?」
「お前だってその有名な柊家様の養子になれて涙が出るほど光栄だっただろう?


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