知らなかったショウタイ
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ポン

ミカの肩に手が置かれる。

「撤退するよー」

振り返ればフェリドがいた。

「放せ!
僕は、僕は優ちゃんを助ける…ん……」

あるものを見つけ、言葉が続かない。





「ーールカ!!?」





少し離れたところに立っているルカ。
何か気を引くものがあるのか、こちらを見ない。

服装は何度も見た例のフードの少女。

「(ルカだったのか…!)」

フェリドを睨み付ければ素知らぬ顔で笑っている。


「ルカ!僕だ!ミカエラだ!!」

すると漸くミカの方を見る。

「あれ、……」

ルカは微かに目を見開いた。





「…ミカ……に、……優…くん…?

っ、痛……」





「ん〜?」

フェリドが振り返る。

「あらら、だめじゃないミカ君。
ルカちゃんを刺激しちゃ」

頭を抱えてうずくまるルカ。


「お前っルカに何をした!?」

フェリドの胸倉を掴む。

「ひどいなぁ、何もしてませんよ」

「くっ…(ルカの居場所は分かった、だから…)
僕は、僕は優ちゃんを助ける!!」

だがフェリドがミカを止める。



「気持ちはわかるけど今はムリムリ。ほら見てよ。人間どもの欲望があんなにも醜く優ちゃんに絡みついてる」



倒れた優を支えているシノア。

同じチームのメンバーも集まっている。

「……くそ。
くそ……人間どもが…!!」

歯を食いしばるミカ。

「あはぁ、どう?
そろそろ人間が嫌いになってきたでしょう?」

ミカの様子を笑いながら見る。







「人間が嫌い。でも吸血鬼も嫌い。
じゃあ一体君は何になるのかなぁ〜〜?」







とても楽しみだ、と言うフェリド。

「じゃ、帰ろうか」

腕を引くが、ミカは抵抗する。

「放せ…!!」

ガッ
フェリドがミカの首を掴んだ。

「!!」





「はいうるさーい。
もう十分はしゃいだだろ、黙れよガキ」





低くなった声音と変わった口調。

今まで見たことのないフェリド。


「ゆ……優ちゃん…」

ミカから力が抜ける。
どうやら今回は諦めたようだ。

「じゃ戻ろうか、ルカちゃんも辛そうだし」

フェリドはミカを下ろすとルカを抱き上げた。



「僕はルカちゃん運ぶから、ちゃんとついて来てね〜」




((とても近くにいた家族))
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「だから近くにいるって言ったでしょ〜?」
「黙れ……隠していたくせに」
「何度も会わせてあげたじゃないですかぁ」
「……気付かなかった僕を笑ってたんだろ」
「あはぁ、まあ面白かったですね」


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