破れたフード
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「…ふ〜、助かった。
君の忠告がなかったら狙撃で死んでたかも」



離れたところに降り立ったフェリド。

押さえた肩には血が滲んでいる。
直撃は逃れたものの、掠ってしまったようだ。

それを無表情に見るグレン。


「ルカちゃんは〜?」

大丈夫?と後ろに来たルカに問う。





「…大丈夫。
……でもフード破れちゃった」


フードが破れ、風に長髪を揺らすルカがいた。





流石に自分も避けなくては危険な狙撃。

ルカを抱きかかえて避ける暇もなかった。

だがせめてと、逆方向に逃げるように肩を押した。

おかげでルカは怪我1つせずに済んだ。もしルカを逃がさなかったらフェリドも無傷で済んだかもしれない。



「それはよかった♪」

そこでフェリドはある事に気付く。

グレンの後方に並ぶ大勢の人影に。
…いや、自分たちを囲むように何百人と人間がいる。

「おっとっと、これはこれは……」

その全員がグレンと同じような格好をしている。

つまりは日本帝鬼軍の軍人たちということ。










「よし、一瀬中佐。
分家のクズの割りには良くやった」


ーー柊暮人中将



グレンの隣に立つ。

「あとは柊家で引き継ごう。
俺の部隊が吸血鬼を殲滅する」

「いつも通り美味しいところばっかり本家様が持っていけよ」

慣れっこだという風に笑う。

「はは、愚痴るなよグレン」

あとでちゃんと褒美をやるからさ、と言う。

「じゃいくぞ。
貴族共を生け捕りにする」

グレンの前に立つ。





「人間にーー日本帝鬼軍にーー…我ら柊家に逆らう者が一体どうなるか、骨の髄まで思い知らせる必要がある」





((やれ))
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「フェリドくん、ひどいなぁ。
あの子は助けてあげるのにこっちは放置かよ。
ま、逃げられたからいいけど」


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