敗北のグレン
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キンッ

グレンの刀が弾き飛ばされた。

「やべっ…!
(いきなり力込めて弾くかよっ)」

敵を見れば口元が笑ってる。

「(ちっ、ここまでか…?)」

もうそぐそこまで迫っていた。





「……ごめんね?ーー名前忘れた」





斬撃をモロに食らう。

「(くっ…ベタな台詞言いやがって…)」

遠くなる少女は不思議そうに自分の手を見ていた。

「(…?そーいや、血が出てねぇ)」

斬られたと思った胸。
痛みはあるが、致命傷が見当たらない。



「…あれ…?」


フェリドのところに戻る。

「どうしたの〜?
あの俺様君死んでませんよ?」

何故なのか理由を知っているように笑っている。

「手元が狂った……?」

「峰じゃ斬れませんからねぇ」

グレンが無事だったのはそのせいだ。

奪った剣をフェリドに押し付ける。



「あれぇ、もういいんですかぁ?」

「飽きた」

「そんな"とどめは任せた"みたいな〜」



フェリドは剣を受け取り鞘に納める。

「ま、いいですけど」

そう言ってグレンの首を掴み、持ち上げる。

「ぐ…!」
「こんなボロボロにされちゃって」

首を締めあげれば苦しそうに唸る。






「あ〜因みに、彼女は貴族じゃありませんよ?
いやぁ〜、吸血鬼かも怪しいですし」




((なん、だと…?))
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「(おかしい……。
殺す気だったのに…。
……あぁ、邪魔されたんだ)」


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