![]() == == == == == 「剣貸して……」 「えぇ〜……ってもう取ってるじゃないか」 剣戟の音が響く。 「ちっ」 何度やってもダメージを与えられない。 力で押し返すわけでもなく、弾き返すわけでもない。 ただ剣線をずらし、流してしまう。 「てめぇー、ンな服着ときながらこの力かよっ。 貴族サマが一般吸血鬼の真似事たぁ、プライドのねぇこった!」 他の吸血鬼とは一線を画す力量。 そこからただの吸血鬼ではないと判断したグレン。 「ってかフードそんなに目深に被って前見えてんのかよ」 「見える……見えなくても問題ない。 ……貴方、いっぱい血を流してるから」 風で取れないようにフードを押さえ、後方に飛ぶ。 「ところで、……貴方だれ?」 「はっ、そりゃ名前聞いてんのか?」 一瀬グレンだ、と答える。 「ふ〜ん…」 だが然して興味がなさそうだ。 「行くよ…?」 「来やがれ吸血鬼!」 お互い武器を構え、つっこんでいく。 「あはぁ〜楽しそうだなぁ…… ルカ♪」 ((何者だてめぇ…!)) == == == == == == == == == == 「ム…使いにくい……」 「僕のだからね」 「……こんなの使ってるの?」 「いやぁ、ルカちゃんの身長に合ってないだけですよ〜♪」 「(ムカッ)」 ← | → |