![]() == == == == == 「どうです?人間のまま吸血鬼の力を使えるって」 ……"人間のまま"…。 私はまだ人間なんだ…。 ならどうして吸血鬼の力を使える? 人間であることの概念ってなに?吸血鬼は? ただ1つ分かるのは、居場所が分からないということ。 人間でも吸血鬼でもない。 …優くんやミカを守るため。 いつまでも弱いままではいられない。 使えるものは使わないと。 人間らしい考え方かな…。 「……どうして勝てない…?」 フェリドの言葉が正しいなら私は吸血鬼の力を使える。 なのに全く歯が立たない。 私が弱いから? フェリドが強いから? きっと両方。 呪いを受け入れてもまだ足りない。 「ルカが孤独じゃないから」 ……どういうこと? 「守るものがない方が強くいられる。 少なくともルカはね」 「守るものもないのに力があったって…」 意味がない。 自分のためだけに使われる力ほど虚しいものはない。 「まぁ、これからも仲良くしようよ、ルカ」 どこに終着点を見出したのか…。 何になってもフェリドはよく分からない。 「って、名前…」 「あ、今さら?」 この間まで"ちゃん"付けだったのに。 「嫌?」 「…嫌じゃ、ないけど…」 急に変えられると気になる。 「ほらほら、僕のことは〜?」 …は?名前呼べってこと? 「フェリ、ド……?」 「あはぁ〜、名前で呼ぶとミカ君に怒られますよ〜?」 ぁ、…。 って、なんでそれ知ってるわけ? 「僕としては歓迎だけど♪」 何でか分からないけど呼びやすい。 「……名前言わずに話せないし呼びやすいから」 後でちゃんとミカに説明しないと。 「あは、じゃあ毎日話題を持ってくるとしましょう♪」 …それはそれで面倒かも…。 ((カラダに馴染み始めるまで、あと…)) == == == == == == == == == == 「ん〜、味が濃くなったかな〜?」 「は…?」 「今日もルカの血は絶品だなぁってこと」 「……フェリドは相変わらずだね…」 「ん?」 「ぁ、いや…」 ← | |