![]() == == == == == 「お前には才能がある」 だが姉を助けられなかった。 それに負い目を感じて、生きる欲望が足りていない。 「だが今日、それを見つけられたろ?」 与一はグレンの言葉に聞き入る。 「お前が生きる理由は、ーー今日お前を助けてくれた仲間を守ることだ」 与一を傷付けまいと戦った優と君月。 遠慮しなければそこまでしなかったであろう怪我。 「復讐?んな小さいものにとらわれんな てめぇも同じだ馬鹿」 グレンは倒れている優の頭を蹴った。 「いて」 優は起き上がってグレンを不満そうに見る。 「昔の家族はもう忘れろ」 優にとって何より大切な家族。 それを忘れろと言われて、目つきを鋭くする。 「はぁ?ふざけ…」 「ここにいるのが新しい家族だ。 お前は今いる家族に命を掛けろ、馬鹿が。 過去には何もねぇぞ、あるのは未来だけだ」 ミカやルカの笑顔が浮かぶ。 過去に何もないことはない。 ちゃんと大切な人たちがいる。 それでも、選べるのは未来だけ。 「……うるせぇよ」 守るべき家族はちゃんといる。 「さって〜、鬼呪装備も手に入れてちょ〜っとチームワークっぽいことができてきたから、そろそろ1回前線出てみっか〜」 「前線!?」 嬉しそうに反応する。 どれだけ吸血鬼を倒したいのか。 「関西方面の吸血鬼たちが新宿奪還を計画していることがわかった。その辺の調査に行くぞ」 「じゃあ吸血鬼狩れんのかよ!?」 「えええ、い…いきなり実践なの?」 「ちょっと休みとかないのかよ?」 優と違い乗り気でない様子の与一と君月。 「…あはは」 今回手を出さなかったシノアは何ともなさそうだ。 「はぁ、ガキ育てんのも疲れんなぁ」 ((家族を守れるだけの力を…!!)) == == == == == == == == == == 「てっか案外強ぇーな、与一」 「ご…ごめんね!僕のせいで…!!」 「気にすんな、避けらんねぇ馬鹿が悪い」 「ンだとグレン!」 ← | → |