新しいカゾク
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「お前には才能がある」

だが姉を助けられなかった。
それに負い目を感じて、生きる欲望が足りていない。

「だが今日、それを見つけられたろ?」

与一はグレンの言葉に聞き入る。




「お前が生きる理由は、ーー今日お前を助けてくれた仲間を守ることだ」




与一を傷付けまいと戦った優と君月。

遠慮しなければそこまでしなかったであろう怪我。

「復讐?んな小さいものにとらわれんな
てめぇも同じだ馬鹿」

グレンは倒れている優の頭を蹴った。

「いて」

優は起き上がってグレンを不満そうに見る。


「昔の家族はもう忘れろ」


優にとって何より大切な家族。
それを忘れろと言われて、目つきを鋭くする。

「はぁ?ふざけ…」







「ここにいるのが新しい家族だ。
お前は今いる家族に命を掛けろ、馬鹿が。

過去には何もねぇぞ、あるのは未来だけだ」







ミカやルカの笑顔が浮かぶ。

過去に何もないことはない。
ちゃんと大切な人たちがいる。

それでも、選べるのは未来だけ。

「……うるせぇよ」

守るべき家族はちゃんといる。



「さって〜、鬼呪装備も手に入れてちょ〜っとチームワークっぽいことができてきたから、そろそろ1回前線出てみっか〜」



「前線!?」

嬉しそうに反応する。

どれだけ吸血鬼を倒したいのか。

「関西方面の吸血鬼たちが新宿奪還を計画していることがわかった。その辺の調査に行くぞ」

「じゃあ吸血鬼狩れんのかよ!?」

「えええ、い…いきなり実践なの?」
「ちょっと休みとかないのかよ?」

優と違い乗り気でない様子の与一と君月。

「…あはは」

今回手を出さなかったシノアは何ともなさそうだ。



「はぁ、ガキ育てんのも疲れんなぁ」




((家族を守れるだけの力を…!!))
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「てっか案外強ぇーな、与一」
「ご…ごめんね!僕のせいで…!!」
「気にすんな、避けらんねぇ馬鹿が悪い」
「ンだとグレン!」


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