子供たちのユメ == == == == == 「くっそー…。 ああああ、もう我慢できねぇぇぇ!!!」 覚束ない足取りでサングィネムを歩く。 「痛ぇし!フラフラするし!」 優一郎の文句を聞きながら隣を歩くミカエラ。 「何よりあの吸血鬼どもの家畜見るよーな目が気に入らねぇ! 俺らは豚か!?牛か!?鶏か!?」 その言葉を否定するわけではないが流石に呆れている。 「ってかルカ帰って来ねーぞ!!」 何処だ!?何処連れてった!?と喚き散らす。 「俺と一緒に革命起こそうぜ、革命!」 同じくらいの身長のミカと肩を組む。 「2人で強くなって吸血鬼の女王ブッ殺して、ここに俺らが平和に暮らせる人間の王国を作る!」 「何その頭のわるそーな計画…」 現実的なミカは難色を示している。 「夢見すぎだって優ちゃん」 もしくは漫画の読みすぎ、と辛辣な言葉を贈る。 「漫画なんか読んでねーよ! つかここ漫画ねーじゃん!」 とにかく、とミカは口を開く。 「吸血鬼殺すとか大声で言わないでくれる?正直これ以上吸血鬼に目つけられたくないん…」 「おめーら!いつかぜってぇ殺すからな!!俺毎日一万回(ウソ)腕立てしてんだから…!!」 ズビシッ 「きーとんのか」 ミカの鉄拳が優の後頭部に落とされる。 「そもそも腕力で吸血鬼と戦えるわけなんてないの」 頭を押さえて振り返る優に告げる。 「人間の身体能力は吸血鬼の足元にも及ばないって、さっき優ちゃんが読んでた本にも書いてあったでしょ?」 「お前じゃあどうすんだよ!!?」 はぁ…とため息をつきながら頭をつつく。 「だから頭を使うんだよ」 脳みそ、ブレイン、馬鹿には無理、おわかり?」 青筋を浮かばせる優。 「お前ぶっ飛ばすぞ」 「でも優ちゃんも本当はわかってるんでしょ?」 腕力では吸血鬼をどうにもできないことを。 優は先ほどのように捲し立てることもできない。 「……だからって…じゃあどうすんだよ……」 ((現実離れした幸せの楽園)) == == == == == == == == == == 「そうゆーお馬鹿発言はルカにしないでよ?」 「あ?何でだよ……って、お馬鹿発言だあ"?」 「"妄想に現実逃避したんだ…"ってルカ悲観するから」 「誰の何が妄想だ!!」 ← | → |