聞けぬ答 == == == == == 「させないっ」 シュナイゼルの肩に手を置こうとしていたルルーシュは慌てて振り返った。 既に血に濡れた剣を手に、飛びかかってくる女。 「(こいつはシュナイゼルの……!)」 何故ここに、まだ外で戦っていたはず、と考える。 だが迫る剣に命令は選んでいられなかった。 「"死ね"!」 「くっ、」 僅かに届いた剣に後ずさる。 だがその剣もすぐに引かれる。 「レイシーっ」 自らの胸に剣を突き立てようとするレイシーの手を掴むシュナイゼル。 「"放して下さい殿下、私は死ななくてはなりません"」 「駄目だ、死なせない。 私の前で、そんなことは……」 「では殿下にも、死ん、で…いた…だ……か、な、くて…は」 命令の実行を邪魔する存在を排除しようとする。 だが、受け入れがたい選択なのか、自らに抵抗している。 「ちっ」 ルルーシュには止められない。 ユフィの時と同じだ。 「シュナイゼル、あなたにはーー」 肩に手を置けば悔しげな目をしていた。 あの兄が。 「"ゼロに仕えよ"という言葉をプレゼントしよう」 「…愛しているよ、レイシー」 シュナイゼルの手がレイシーから離れる。 数歩下がった彼の瞳は冷静なものに変わっていた。 ただ、その片頬を伝う涙の跡だけ残して。 そしてレイシーは命令を実行した。 == == == == == == == == == == 「(叶わぬなら、…ただ叶わぬままの想いでありたかった。だから、) ルルーシュ、君がどんな平和を作っても、私が君を許すことはないよ」 ← | |