Dear, Diary [Chap.1] -3/9
April. 12
Dear Diary,
今日から、日記をつけることにしました。 なんでかっていうと、……それはちょっと、自分でもよく分からないんだけど…。
ううん、嘘。本当は分かってる。
でも、ここに書いちゃうと、なんか後で後悔しそうだからやめておく。 今、時計見たら結構な時間だったし、もう少し冷静になってからにしようと思います。 だから、今日は報告だけに。
今日は新しい英語の先生の授業があった。名前は、櫻井翔先生。 信じられないぐらいにカッコ良くて、頭も良くて、ビックリしたな。 先生に頭が良い、なんて言うの、おかしいかもしれないけど。 とにかく、先生が英語でした自己紹介の訳を、ここに書いておきます。
「こんにちは、僕の名前は翔といいます。仕事は教師で、1月に29歳になったばかりです。 音楽が好きで、10歳の頃からピアノをやっています。 今は仕事が凄く忙しくて、自分の時間を持てる日はなかなかありません。 でも、時間が出来た時は、友達と楽しい時間を過ごしています。
僕がここでの仕事を覚えるには、まだまだ時間がかかると思います。 なので、慣れるまでの間は気長に付き合って頂ければ、幸いです。」
読み直せば読み直すほど、最後の文はどこかの銀行員みたい。 そんな堅苦しい自己紹介を覚えてる私も、凄く変だけど。 でも、なぜだかちゃんと覚えてるの。
隣の席の相葉くんはサッカーの単語がどうとか言ってたけど、たぶん先生は使ったとしても“soccer”じゃなくて、“football”にしたと思う。 なんとなくだけど、ね。
今日は、この先生の自己紹介と、桜の花が綺麗だったことしか覚えてないや。
杏奈
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