道端の予言者 - 1/9


もうそろそろ、会えるんじゃないかな、って思っていた時だった。


便りが無いのは元気な証拠。
連絡をする暇も無いぐらい、自分の道をしっかり歩いていると言えば聞こえはいい。
でも、それを理由にして、大切なことを忘れて欲しくは無かった。



夢が終わったかのように夢を語る姿は見たくない。
夢なんか見たって仕方ない、なんて。
あの真っ直ぐな瞳で俺を見ていた人が、そんな風になるのは絶対に嫌だった。



でも、俺を本当に必要としていたのは、彼じゃなくて君だったらしい。



影を背負った黒とグレーの瞳。
もがく様にSOSのサインを出しては、何度も何度も目を閉じていた。



ねえ、俺のメッセージはちゃんと伝わっているのかな?
たとえ意味が分からなくても、何度でも訊いて、何度でも教えてあげるよ。


だから、信じて欲しい。

君には、夢を叶える力があるんだ、ってことを。





Episode. 07

道端の予言者





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