太陽と月 - 1/9
たった一つの、忘れられない言葉がある。
君が言った、嬉しくて、哀しくて。 それでいて、あんなに優しいことを言われたのは、初めてだったから。 あの日から空を見上げるのが癖になって、あの日から、ずっとたった一つのことを願うようになった。
ねえ、知ってた?
晴れの日だって、雨の日だって、曇りの日だって。 朝だって、昼だって、夜だって。 無数に散らばる星だけは、動くことなく、ずっと空に浮かび続けてるんだ、ってこと。
だから、あの日からずっと、俺は星になりたいって願い続けてる。 闇が広がっても、ずっと月と寄り添うことが出来る、たくさんの星に。
太陽と月じゃ、やっぱりダメなんだ。
Episode. 06
太陽と月
|