知らない名前 - 1/9


俺と同じだ、と思った。


誰かに愛されたい、誰かに必要とされたい。でも、どうすればいいのか分からない。
重ねていく自虐的な行為は、黒い影をもっと濃くしていく。
色も形も違うけど、オッド・アイの奥に見えた切なさは自分と同じもの。

気付いたら、強く惹かれていた。



お互い、他人に心を開くようなタイプじゃない。
甘いだけの良いとこ取り。曖昧な関係を好き勝手に楽しんでいる。でも、本当はそうじゃない。


…少なくとも、俺は。



なあ?お前は俺がクールで、何事にも動じないヤツだと思ってるかも知れないけど、誤解してるよ。


こんなにも心が乱れる。

お前の口から、別の男の名前が出てくるだけで。





Episode. 04

知らない名前





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