魔法の瞳 - 1/7
今まで、予定調和な人生を歩んできた。 努力を怠ることは無かったけど、望み通りに何もかも進んでいたし、大きなトラブルに巻き込まれたことも無い。 敢えて刺激を求める必要は無く、安定した生活を送ってきた。
君と出会った、あの瞬間までは。
俺たちの関係を、なんて呼べばいいんだろう。 適当な言葉も見付からないまま、“有り得ない”と思ったまま始まった関係は、きっと、大きく間違っていた。 なんだったら、何もかもが事故だったと言ってもいい。
それでも、思う。思い出すんだ。
あの時、発した言葉とは裏腹に、切なくも綺麗に光っていたオッド・アイを。 あの時、知らずしらずの内に芽生えていた、自分の想いを。
だから、きちんと伝えたい。
自分の決断を、決して後悔していないってこと。 君の瞳がかけた魔法は、未だに解けてはいないんだ、ってことを。
Episode. 02
魔法の瞳
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