2013/03/11
天国へと続く道


ああ、もう2年も経ったんですね。
2年前のこの日、自分がどこで何をしていたのか。何を目にして、聴いて、食べて、何を感じていたのか。ぜーんぶ昨日のことみたいに思い出せてしまうのを見るに、やっぱり2年という時間が経った気はしないのだけど。
それでも2年経った、っていうんだから、本当に不思議だ。


今日は2年前のこの日と同じように、自宅で1人で仕事をしています。仙台に行っても良かったのだけど、今日は自宅で大丈夫だよ、と言われました。
数週間前には、友達と焼き肉食べに行こうかー!と話して、それぞれの都合のいい日が月曜だから、11日にしよっかとなったけど、何か起きたら怖いから、と次の週にすることにしました。
変わった、っていうのは、きっとこういうことなんだろうな。


ずっと被害者ぶってるってどうなの?と思われてもいるだろうし、言われてるのも分かるんだけど、でも被害者なのは事実だしなーっていう、この気持ち。
街の中に、普通に線量を測る計測器が至るところにあって、公園や広場には「除染作業を〜日にしました」の看板があって、妊婦さんや子供たちは放射能を測るバッジを付けてて、屋内でも遊べるように作られた無料施設が毎日人で溢れてて、夏には学校でプールに入れなくなって、気付けば夏休み恒例のラジオ体操も無くなっちゃってた。
ここでは、そういう異常なことが普通になってきていることを、ほとんどの人が知らないんだよね。だから、たぶん来たらビックリすると思うし、たぶんヒくだろうなーとも思う。
だって、ニュースで日本列島の図が出る度に、「あの赤い丸い線いつになったら消えるのかなー?」「あれね、一生消えないから」なーんて、県外の方が聴いたら絶対に笑えないようなジョークを言うようになっているなんて、思わないだろうし。
もちろん人それぞれ、震災で出来た傷も、それをどう処理していくかのアプローチも違うだろうけど、どうしようもなくトラウマになっているのは同じだな、と。2年経って、改めて感じた。


私も、たぶん変わったんでしょう。
漠然とだけど、子供は一生産まないだろうなー、と思うようになりました。両親には絶対言いませんが。

あと、これは本当に申し訳ないことなのだけど、嵐さんの「果てない空」を聴かなくなった。
別に嫌いじゃないし、ドラマやってた頃はずっと聴いてたし、今でも流れてくれば聴くのだけど、自ら選択して聴こうとは思わなくなった。なんか…なんか、やるせない気持ちにさせられる。
1週間前ぐらいに、なんとなくブルーレイに落としてあったニノミーヤのおしゃれイズムを発見して見ようと思った時も、画面がL字に分割されてて、「あ」となった。
一昨年の紅白や歌番組、VSで被災者を招待した回も、全部取っておいてはあるんだけど、それを見ようとは思わない。てか、見たくないし、そもそもそんな光景を見たくはなかったんだろーな、と自分でも思います。
ワクワク学校も、チャリティー活動も、積極的にテレビやラジオを通じて支援してくれるのも、本当に嬉しいしありがたいのだけど、やっぱりそれは私の見たかったものじゃなかったな、と。今でも震災直後にZEROに出た王子の表情を覚えているから、余計にそう思ってしまう。
ああ、何の偶然か、今日はZEROだったね。王子はどんな顔をしているんだろう。



色んな事を、覚えてます。

地震が起きた時のことも、次の日に原発が爆発したことも、それからの1カ月が死ぬほど辛かったことも。
助かっているのに助かっている気がしないって、こういう感覚なんだな、と実感したし、今もしてるから。
母親に「避難命令が出たらすぐに出来るように荷物まとめておいて」って言われた時、どうなるんだろ?と思いながら、嵐さんの10周年の時のツアーパンフをバッグに入れた記憶があります。
いざとなったら私1人だけでも東京の自宅に行って、と言われて「なんで自分だけ?」と返した時に、兄が「こういう時に最後まで残って頑張らなきゃいけないのが、俺たち公務員だから」と言われたことも覚えてます。ま、本人は忘れてるかも知れないけど。

去年、避難区域に住んでる方たちが自宅へ戻ります、というニュースを見ながら、母に「自分がもしここに住んでて、戻りたい人はどうぞと言われたら戻る?まだまだ危険な場所なのに」と訊いたことがあります。
母の答えは、「戻るよ。お母さん1人ならね。あんたたちがいるなら戻らない」でした。
2年経って様変わりしたけど、それが前の状態に戻ることは無いんだろうな。残念だけど。


それでも、生きてて良かったと日々思っています。
嵐さんはもちろん、支えになってくれた人たちにいつか感謝を伝えられるようになりたい、という気持ちは全く変わっていません。
去年も書きましたが、今日があることに感謝を。そして、亡くなった人たちが、よりよい場所に行けていることを祈ります。

また1年、頑張ろうね。
「天国へ続く道は先の見えない地獄から伸びている」って、「It's Time」でも歌っていたよ。





2013. 3. 11

Natsu



【ZERO後に追記】

来てたんだね、ここに。
ありがとう。忙しい中、防護服まで着て、今日この日にまたここに来てくれて。
相葉さんが何度か来てくれた時に、「可哀想、仕事だからってこんなとこに行かせられて」と一部のファンの方に言われたけど、今回もそう言われるんだろうか。

でも、ごめんね。嬉しいし、涙が出た。ありがとう。


そして、やっぱり見たくはなかったよ。









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