ブラックホールに吸い込まれたい

!ぐだぐだ悲恋注意!




この気持ちは、昔から何だったのか知っていた。





「あ、また、あの人だ」

ふと弓道部の横を通り過ぎたときのことだった。
横をみたら、きれいな空の色の髪をした男の子が、弓を構えていた。


(……誰なんだろう?)


いかにも温厚そうな、誠実そうな雰囲気を醸し出している男の子だった。
的を見つめるその真剣な眼差しに、思わず吸い込まれそうだったことを覚えている。



気付いたら、また次の日に弓道部を通っていた。
そして、また次の日も。
別に用事があるわけでもなく、ただ、あの空色の髪の男の子を見に行くために。

声をかけることなく、ずっと見つめていた。見つめているだけで、満たされていた。




「金久保部長」

(、あ)

「どうしたの、夜久さん」


あの人金久保さんって言うんだ、とふと思ったが、その金久保さんに声をかけた張本人の方を見つめる。

確か、あの人は学園のマドンナさん。凛とした立ち居振る舞いは、綺麗を通り越して神秘的だった。

金久保さんは、マドンナさんに向かって笑いかける。
気のせいなのか、その瞳は愛おしそうに細められる。


心臓が、ずきりと痛む。




(…………なんて、綺麗な人なんだろうか)


一緒になって微笑んでいた二人を見て、一気に周りが真っ暗になった気がした。


金久保さんと、マドンナさんは、どんな関係なんだろう。


考えれば考えるほど、自分の中で何かは張り裂けそうな感覚がした。
闇の底に落ちていくような気がした。


指先が、冷たくなっていく。
握りしめたら、指先がどんどん白くなっていった。




(………………あ、)



この気持ちは昔から何だったのか知っていた。

ただ、それを見て見ぬふりをした。…考えるだけでもかなりつらいから。

ドロドロと黒い感情が溢れていく。支配されていく。




……いつからこんなに好きになっていたんだろう。




仲良さげな二つの背中を見て、もう私なんて消えてしまえばいいと思った。


涙が頬を伝う。

こんな感情、もういらない。





(20110420)

ぐたぐたですね、もう何言ってるのかわからないorz





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