部員を探しに食堂を出て行ったのはいいんだけど。
きょろきょろと周りを見回す。なんだか見覚えのない景色だ。
あ、桜が綺麗だなあ、………ってそうじゃなくて。
「………」
………私、これからどこにいけばいいのでしょうか?
というか、ここってどこですか!?
07=料理部員一号は神秘的?
「困ったなあ……」
入学して間もないけど、さっそく迷子になってしまいました。
とりあえず目の前綺麗な桜の木があることはよくわかったけどね。
その桜の木に、男の子が寄りかかっていることも……
「………ん?」
…桜の木に男の子が寄りかかっている!?
あまりの急展開に動揺しすぎてその子に近寄った。
座っているその子は、
「すー…」
「し、死んでない……よね?」
桜の大樹に寄りかかって目を瞑っていた。
一瞬死んでいるかと思ったけど、規則的な息を聞いて寝ているだけなんだと改めて確認した。
……というかこの子、なんか見覚えがあるような…?
穏やかな春風が舞い、金に近い琥珀色の髪がサラサラとなびいてとても綺麗だったから、一瞬触りたくなった。
……触っちゃあだめ、かな………
相手も寝ているし、触ってみようと恐る恐る手を伸ばしてみる。
「………なにしてるの」
「うひゃっ!?」
と思ったら下の方から声がして飛び上がってしまった。
び、びびびびっくりした……!
声がした方を辿ったらさっきまで寝ていた子がぱっちりと真紅の瞳を開けてこちらを見つめていた。
…なんか、神秘的な子だなあ。
「あんた、たしか、同じクラスの女子生徒……」
「え、」
「………」
「……………あ、もしかして」
知らないのか、と相手から睨まれているけど気にしない!
見覚えのある顔だなあと思ったら合致がついた。
そっか、この子同じクラスの特等生の!
「神楽坂くん!」
「四季でいい」
「わかった、四季くん!」
四季くんはうん、と頷くとのそのそと起き上がった。割と眠いらしく、あくびをしてから目を擦っていた。
なんだか可愛いのでくすりと笑ったら不思議そうにこちらを見て何?と呟いたのでなんでもないよ、と答えた。
………そうだ、四季くんを料理部に勧誘してみようかな…
「……料理部」
「へ?」
「俺、料理部入る」
「え、なんで勧誘しようとしたのがわかったの!?読心術?」
「みえた」
「え?………ああ星詠みか」
みえた、と言われて一瞬何だろうって迷ってしまった。
なるほど、星詠みで視えたのかな…
何かを言おうとしたら、四季くんは今度は訴えるかのような視線を向けてきた。なんだなんだ。
それに応じるかのように、四季くんの腹の虫が鳴った。
「……お腹すいた」
「えっと…?じゃあ、今から食堂来ない?何か作るよ」
「…うん、そうする」
四季くんはこくりと頷いてから、今度は嬉しそうにふわりと笑った。
…わっ、初めて笑ったの見た、四季くん可愛い……!
「食堂、はやくいこう」
「う、うん、いいんだけど…」
「?」
「食堂って、ここからどうやって行くんだっけ…?」
「……………」
「そんな責めた目で私を見ないで……迷子になってたんだって…」
四季くんは呆れたようにこちらを見るとついて来い、と言われたので大人しく着いていくことにした。
(でも、なんで料理部に入ろうと思ったの?)
(…あんたの料理、食べてみたいから)
(……そっか(四季くん超可愛い…!))(20110502)
管理人な四季くんに関しての知識が乏しいです、もしかしたら捏造四季くんになっているかもしれません…
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